商売伸ばす工夫いっぱい
県商工交流会に200人

全国商工新聞 第3337号11月19日付

商工交流会に200人

 愛知県商工団体連合会(県連)は10月28日、第18回愛知商工交流会を刈谷市産業振興センターで開催し、約200人が参加しました。記念講演やパネルディスカッション、分科会で商売の展望を広げ、物産展&商品展示には32店舗が参加。初めて県と刈谷市から後援を受けました。

 中小企業診断士の上品忍さんが「今を生き抜く商売のヒント」と題して記念講演。国や自治体で小規模企業支援の施策が広がる中、商売の展望を考え、補助金活用に不可欠な事業計画づくりの重要性について、「事業計画は現状と将来のギャップを埋めるもの。目標にどうアプローチするか考え、『計画・実行・見直し・改善』のサイクルを意識することで、商売を向上させる力になる」と話しました。

こだわり経営 パネル討論

 パネルディスカッションでは3人の会員が自分の商売を発言。水産加工の豊橋民商のKさんは、夏でも売れる「玉ネギはんぺん」を開発。「テレビでも紹介され、『幻のはんぺん』と言われることも。食感を守るため基本は手作りだが、生産量をどう増やすか考えている」と話しました。
 衣料品販売の2代目、刈谷民商のYさんは、上質な服を楽しみ、大切に着こなすライフスタイルを提案するこだわりの店を経営。「ターゲットを絞り、お客さまをとことん大切にすることを貫いている。市民マラソンなどイベントへの衣服の提供やお客同士の横のつながりを重視している」と発言しました。
 港民商会員で配管工事のTさんは、商売を初めて13年目。「どんな小さな工事や要望にも対応できる機動力が持ち味。日頃から14人の従業員とのコミュニケーションを大事に、意思疎通を図っている」と強調。「自分に代わる非常時の現場管理などの人材確保が課題」と発言しました。
 上品さんは「手間をかけ手作りを“売り”にしている場合、生産数との兼ね合い、機械化・効率化できることはないか考えてみて」「人手不足の解消には、働く人のやりがいを満たしながら、きちんと仕事をしてもらう厳しさを両立させることが大切」などをアドバイス。参加者は「自分ももう一度商売を見直してみたい」「商売に対する気持ちがよく分かって参考になった」など感想を話していました。

異業種で交流 振興条例も学ぶ

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盛況だったSWOT分析の分科会

 午後は「SWOT分析セミナー」「異業種交流会」「振興条例制定と活用」の三つの分科会を開催。「SWOT分析セミナー」は、上品さんを講師に、事業計画作成のポイントや自社の「強み・弱み・機会・脅威」を分析する方法について学び、分析シートに記入を行いながらグループワークをしました。
 「同業種・異業種交流会」には建築関係、不動産、飲食など26人が参加し、人手不足の対処方法、同業者同士のつながり、後継者問題、夜オリの経験などが出されました。名刺交換会でも交流が深まりました。
 「循環型地域経済と中小企業(小規模企業)振興基本条例」の分科会では、井内尚樹名城大学教授が基調講演。愛知県内12自治体の振興条例の内容や犬山市の条例制定に関わった経験を報告しました。

自慢の逸品も 物産展

 物産展では、昼食用のお弁当、スイーツやコーヒー、和菓子などで各店舗の味を堪能。防災セミナーやコマの実演販売、マッサージ、商品展示などが並びました。大抽選会では、太田義郎全商連会長が提供したお米をはじめ銘酒などが当たり、当選者はうれしそうに受け取りました。

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