全国商工新聞 第3376号2019年9月9日付
(左から)赤帽組合の嵯峨徹也事務局長、石中清則首都圏理事長、長谷川伸一首都圏専務理事。右側中央が全商連の橋沢政實副会長
全国商工団体連合会(全商連)は8月8日、全国赤帽軽自動車輸送協同組合連合会を訪れ、「軽貨物運送業の危機打開と健全な発展のために─民商・全商連の提案」に基づき、物流危機の問題などで懇談しました。
全商連からは、橋沢政實副会長、中山眞常任理事が出席、全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会からは、石中清則赤帽首都圏理事長、長谷川伸一首都圏専務理事、嵯峨徹也事務局長が応対しました。
石中氏は「(赤帽は)宅配をやっている人は少ない。企業の貸切便や委託が中心なので、楽ではないがそこそこのレベルで仕事はできていると思う。軽貨物と共通するような問題はない」と述べました。
事業協同組合として独禁法の適用除外で統一運賃が認められていることや、一人親方労災保険の加入ができること、各種共済保険、開業資金融資などのメリットがあり、付帯作業や荷待ち時間も料金が得られるように環境づくりに取り組み、改善が図られてきていることを紹介し、「ひと世代前よりは変わってきているのではないか」と状況を説明。長谷川氏は「われわれは宅配を経験し過酷さを知っている。経験のない人が、目先の利益だけを考え、もうかると思うのではないか」と個人の黒ナンバーが増えている理由について述べました。
業界としての課題については、「軽貨物の個人事業者は労災に入っていないし年金もない。けがも弁当も自分もちなどの劣悪な状況にあるので、これの改善が求められる」と訴え。また、「いつの間にかアマゾンの送料無料が一人歩きし、サービスの向上にはコストが比例するという当たり前のことが後景に押しやられてきているように思う。消費者にも意識改革をしてもらうことが必要ではないか」と指摘しました。
橋沢副会長は「業界の課題の解決に向け、今後も引き続き意見交換をしていきたい」と結びました。