コンビニ 人手不足、24時間営業 廃棄ロス…問題解決し経営を守ろう

切実な思い受け止め
コンビニ訪問・対話

全国商工新聞 第3371号2019年7月29日付

 「利益が出せず、借金した上で、1日12~13時間労働です。死ぬ方が楽と考えることもあります」「せめて、正月の三が日は休みたい」─。長崎・佐世保民主商工会(民商)は7月2、17の両日、コンビニ訪問・対話を行いました。全商連の「24時間営業などコンビニが直面する課題と私たちの考え」(以下、「コンビニ見解」)とアンケートを市内コンビニ店104軒に送付したところ、切実な思いがびっしり書き込まれたファクスが次々と返信されてきたことから、「このままにしておけない。直接話を聞いてみよう」と行動したものです。
 2日は、入江洋会長と事務局員ら5人で16店舗を訪問し、6人のオーナーと対話。
 17日の行動には役員・事務局員7人で参加。3コースに分かれ、23店舗を訪問し、6人のオーナーと話すことができました。
 17年前から経営しているというセブン-イレブンのオーナーは、3代目で酒販売やスーパー経営などの経験もあります。
 「どんな商売でも大変。自分で仕入れをしなくていいし、経験がなくても始められるのも本部のおかげ。経営者なら苦労は当たり前ではないか。経営に不満はない」と語ります。
 接客対応が途絶えたのを見計らい末永陽一さん=設計士=が「どれぐらい働いているんですか、順調ですか」と聞くと、「10時間から14時間は店に出ているかな。昔に比べたら人件費などの経費が上がっているので厳しいことは事実。一昨年、1%ロイヤルティーを下げたが、経費アップ分を考えれば、できれば3%は下げてほしい」と実情も語ってくれました。
 別のあるオーナーは「24時間営業の問題は、配送などを含め企業全体に関わるので、社会環境を整える必要がある。人手不足はどこでも同じ。いまは、お客のクレーム対応に苦労している」。
 2回の行動で、39店舗を訪問し、12人のオーナと話すことができましたが、深夜・早朝のシフトに入ることの多いオーナーと顔を合わせることの難しさも実感しました。
 入江会長は「実際に足を運んで見てコンビニオーナーの厳しさがよく分かった」と感想を述べます。
 高尾諭治事務局長は、「今後この間のアンケートの結果をまとめて、オーナーに返していきたい。また、公正取引委員会がコンビニの24時間営業について独占禁止法の適用対象となる可能性に言及したことや、経産省が『新たなコンビニのあり方検討会』を立ち上げたことなど、引き続き情報提供も行いつつ、励ましていきたい」と話します。
 行動が終わって総括をしている間にも、オーナーからのファクスが2通届くなど反響が広がっています。

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