全国商工新聞 第3371号2019年7月29日付
北海道連に寄せられたアンケートの回答(一部)
北海道商工団体連合会(北海道連)が取り組んだ「コンビニ実態アンケート」(下の表)では、「相談ごとがある」と実名を記載した回答もありました。アンケートの送付を受けた札幌北部民主商工会(民商)の大井川政典事務局長は、店舗に駆け付けて実情を聞きました。
その店は法人で、開店から13年目。オーナーと妻の2人が役員、パートは6人。「昨年10月ごろから売り上げが減り続け、資金繰りが厳しく、消費税300万円と社会保険料2カ月分を滞納し、本部への送金も2日分していない」とのこと。銀行に融資を申し込んでも、「建物や設備が本部持ちのコンビニには基本的に融資はできない」と断られ、オーナーと妻の役員報酬40万円をすでに削っているが焼け石に水。「長く働いてくれているスタッフばかりなので、人件費を削減したくない。あと2年で契約開始から15年となり、ロイヤルティーが2%下がるが、それまで持たないのではないか…」と深刻なものでした。
月販100万円近くの売上減少の理由は、北海道地震の影響による消費の落ち込み。本部との交渉で無駄な仕入れを減らす措置を講じているところでしたが、改善の見通しは立っていません。大井川事務局長は「税金滞納は猶予もある」とアドバイスしましたが、「今のところ、猶予は使いたくない」「本部への送金は親族からの借り入れで持たせていきたい」との意向のため、「見守りつつ、必要に応じ相談には乗っていきたい」と励ましました。
その他のアンケートでもコンビニ経営の厳しさが表れています。北海道連の井上元美事務局長は「税金や社会保険料の滞納、融資の相談など、民商として蓄積ノウハウが生かせる要求も少なくない。セイコーマートのようにロイヤルティーが10%のコンビニもある。今後、本部との公正取引ルールの確立へFC法を制定し、高すぎるロイヤルティーの引き下げや営業時間短縮など問題解決への展望も示し、加盟店を励ましていく対話・懇談を広げていきたい」と話しています。