全国商工新聞 第3369号2019年7月15日付
経済産業省は6月28日、24時間営業の見直しなどコンビニエンスストア業界の課題を議論する「新たなコンビニのあり方検討会」(座長・伊藤元重学習院大学教授)を立ち上げ第1回会合を開催しました。
コンビニ業界では人手不足と人件費高騰により加盟店の経営環境が悪化。本部の高いロイヤルティーや、24時間営業の強制などFCシステムの在り方が問題になってきており、検討会では、「コンビニの今日的な課題及び方向性を議論する」ことを目的にしています。今後、コンビニオーナーへのヒアリング、ユーザー・従業員へのアンケート調査等を実施し、来年1月にかけて有識者検討会を4回程度開催し、「持続可能なコンビニ・ビジネスのあり方」を提言する「中間報告」をまとめることにしています。
民商・全商連は「24時間営業などコンビニが直面する課題と私たちの考え」を発表し、加盟店へのアンケートと対話を進めています。
この中では、「去年より経営が悪化し社会保険の支払いが困難になった。そして昨日、通帳より150万円を差し押さえられてしまった。従業員給与などに充てるもので、このままだと支払いができない。給与が差し押さえられてはもう生きていくのが難しい。なんとかできないものか」「人手不足と人件費の高騰は深刻」「5年間休みがない」など悲痛な相談も多数寄せられています。
コンビニ本部各社は経済産業省の求めに応じ加盟店への支援策を盛り込んだ「行動計画」を公表していますが、アンケート等で加盟店が最も切実に求めるロイヤルティーの引き下げ見直しなどは盛り込まれていません。
検討会がまとめる報告には、法的拘束力はなく、またどれだけ実態が反映されたものになるのかも不確かです。問題解決には、フランチャイズ(FC)法の制定が必要です。