全国商工新聞 第3363号2019年6月3日付
参議院経済産業委員会で、日本共産党の辰巳孝太郎議員は5月17日、セブン-イレブンが行動計画の提出後も、ドミナント(地域集中)出店を続けていることを取り上げ、「ドミナント規制すべきではないか」と政府を追及し、フランチャイズ規制法の制定を求めました。
ドミナント戦略とは、特定の地域に集中的に出店する経営戦略のことで、加盟店の経営悪化の要因に。経産省の実態調査では、6割のオーナーが競争激化に「不安」を感じていることが明らかになっています。
辰巳氏は、セブン-イレブンが「加盟店の収益性を重視し、量的拡大ではなく、さらに質を追求した出店を推進したいと、行動計画で新規出店の在り方の抜本的見直しを表明しながら、その後もどんどん近隣出店を続けており、5月に入っても4人のオーナーから相談を受けた」ことを明らかにし、ドミナント規制すべきではないかとただしました。
世耕弘成経済産業相は、「コンビニの持続的発展の観点から看過できない状況」だという認識を示しながらも、今後関係者からのヒアリングをしていくことや、「各社の行動計画をフォローアップしていきたい」と弁明しました。
辰巳氏は、年間売り上げ1億5000万円、日販41万円以下の赤字ラインが36.4%に上るという経営的に厳しい加盟店の実態がありながらも、各社の行動計画でロイヤルティーにメスを入れる会社がなかった点を指摘し、自主的取り組みの限界と「フランチャイズ規制法」が必要だと強調しました。
また、質問の中で公正取引委員会に対し、「(加盟店が)テリトリー権を認めるように契約を変えてほしいと本部に求めた場合に、本部がそれを一方的に拒否して、押し切って出店をしてしまうことは優越的地位の乱用に当たらないか」と見解を求めました。
これに対し、公取委の東出浩一氏は、一般論としながらも「正常な商習慣に照らし不当で、取引の相手方に不利益を与える」という二つの要件を満たす場合には、優越的地位の乱用に当たる可能性があるとの認識を示しました。