全国商工新聞 第3355号2019年4月1日付
セブン-イレブン本社
全国商工団体連合会(全商連)は3月22日、「24時間営業などコンビニが直面する課題と私たちの考え-加盟店の『経営権』を認め、営業存続へ支援制度の完全実施と充実を─」の記者発表を行うとともに、セブン-イレブン本部に同内容で懇談の申し入れを行いました。これに対し本部は「この件については内部で検討しているところで、現時点では答えられることはなにもない」と回答しています。
全商連の中山眞常任理事は、「中央労働委員会(中労委)は加盟店主に労働組合法上の団体交渉権は認めなかったが、本部と加盟店の間には交渉力に格差があり、適切な問題解決のしくみの構築が必要で、『とりわけ、会社側における配慮が望まれる』と話し合う場を求めている」と指摘。その上で「本部は加盟店との話し合いに応じるべきだ。会談の実現を求めていきたい」と話します。
コンビニの24時間営業をどう考えるのか、必要性も含め議論が活発化しています。
朝日新聞は3月16、17の両日全国世論調査を行い「24時間営業の見直し」について質問。「見直すべきだ」が79%と多数を占め、「見直さなくてもよい」は7%にとどまっています。
経済産業省は3月24日を期限に「コンビニ調査」を実施しました。世耕弘成経産相は「営業時間など、フランチャイズ契約の具体的内容については、あくまでも当事者間の判断に委ねられるもの」と発言。その一方で、「人手不足や働き方改革などの環境変化や、地域社会からのニーズなどを総合的に踏まえながら、チェーン本部と加盟店の間で適切な議論が行われるべき。チェーン本部とオーナーとの間で問題が生じた場合には、十分なコミュニケーションを取って、オーナーに理解を得た上で解決をするように、引き続きチェーン本部に求めていきたい」と述べ、協議を要請していく考えを示しました。
しかし、セブン本部は中労委の「協議の場を」との和解勧告を拒否し、加盟店主らとの対話に応じようとしていません。監督官庁も、行政指導などの根拠となるフランチャイズを規制する法律がないため、生じている問題への適切な対応ができていません。今こそ、フランチャイズの適正化を求める規制法の制定が求められます。