法定福利費の上乗せを
建設業交流学習会=埼玉県婦協
拒否されたら国交省に指導求めて
社会保険料負担の問題やキャリアアップシステムなどを学んだ埼玉県婦協の建設業交流学習会
埼玉県連婦人部協議会(県婦協)は7月12日、さいたま市内で建設業交流学習会を開催し、30人が参加しました。
「建設業者への社会保険加入強要が強まっていて、現場は混乱している」「保険料の負担が重くて続けられない。元請けに法定福利費を請求できていない」などの声があったことから、開催されたもの。
アドバイザーを務めた全商連の中山眞常任理事は「自主計算・記帳に基づく『暮らしと営業の見直し』や赤字にならない請求に生かす取り組みが重要」と解説しました。
門池美奈県婦協副会長が、「社会保険の加入義務がない職人にまで加入の動きが強まっている問題で、是正や法定福利費を元請けに請求できるよう国土交通省に要請してきた。今度はキャリアアップシステムを導入し、任意と言うが、カードを取得しないと建設現場から排除されるのではと不安を感じている」と発言。
五十嵐美恵子副会長も「懇談で学んだことを生かし元請けに話したところ、人工で賃金を引き上げてもらえた。しかし、うちで一番腕の良い職人は外国人。資格を取りたくても日本語の試験しかないため取得が難しい」と現場の実態を話しました。
また、キャリアアップシステムを活用しての一括管理や、職人が引き抜かれるのではと不安の声が参加者から出されました。
「法定福利費を上乗せして請求したら、元請けから仕事を回してもらえないのでは」との質問に対し、中山常任理事は全商連作成の社会保険関連(建設業者向け)チラシを示してアドバイス。
「社会保険に入っている人が法定福利費を元請けに請求して拒否されるのは、建設業法19条の3に違反する。国土交通省へ現場の声を届けて、きちんとした指導を求めることが大事」と指摘しました。
奥田歌子県婦協会長が「学習した内容を民商に持ち帰って、おかしいところは運動で変えていこう」と閉会のあいさつをしました。
参加者は「技術で頑張ってきた職人さんがいなくなってしまう。民商でも学習会をやりたい」や「町場の小規模の建設業者が潰れる」「国や大企業に一括管理される怖さを感じた」と感想が出されました。