熊本地震3年メモリアル集会
被災地に寄り添う復興を

全国商工新聞 第3359号2019年4月29日付

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 2度にわたる震度7の揺れに見舞われた熊本地震から3年を迎えた14日、大きな被害を受けた熊本県益城町で、「被災地に寄り添った復興をめざすメモリアル集会」が開催されました。熊本県商工団体連合会(県連)も加盟する、いのち・平和ネット(いのちネット)とくまもと地域自治体研究所(自治研)が主催したもの。55人が参加し、現状を交流しました。
 自治研の戸田敏理事は開会あいさつで、「安倍首相は被災地に行くたびに、被災者に寄り添うと言うけれど全然寄り添っていない」と厳しく批判しました。
 第1部では「被災者の生活再建の現状と復興のあり方」と題して熊本学園大学の高林秀明教授が講演。医療費減免制度の復活を求め、仮設自治会や民医連、いのちネットとともに2万人分の署名を集め、県や議会に要請、請願に取り組んできた「被災者の生活再建が進まず取り残されている人が多数残されている」「住まいが確保できていない人も仮設住宅の追い出しが始まっている」と告発しました。また、被災者へのアンケートで、生活がとても苦しくなったという人が増え、健康破壊も進んでいる現状を報告し、「3年たって見かけの復興は進んでも、生活再建は進まない。行政のあり方を転換させることが必要」と強調しました。
 第2部は、熊本県立大学の中島熙八郎名誉教授が「災害復興における『まちづくり』とは」と題して講演。被災者の生活再建より道路拡張や区画整理事業など大型事業が優先されている現状を報告し、住民の意見をしっかり聴いて事業を進めていく重要性を指摘。陸前高田市の復興事業を例に熊本地震における課題や問題点を整理して報告しました。
 質疑では、「益城町の区画整理事業は10年先にしか住めない」「補助金のあり方がとても不公平。農業並みに全部90%以上の補助にするべき」などの意見が寄せられました。
 いのち・平和ネットでは、あらためて被災者の声、要望を集約し、県や市町、国にも交渉し、要求実現に向けての行動を強めようと話し合いました。

熊本地震

 死者270人、重軽傷者2737人、住宅被害19万8513件、仮設住宅入居戸数7304戸(3月31日現在)。熊本市が2000人に行ったアンケート(昨年7月)では、「住宅再建のめどがたたない」が約30%に上る。

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