全国商工新聞 第3328号9月17日付
被災直後の「宝友」
熊本地震(16年4月14、16日)で大規模半壊の被害を受けた宇土市内の中華料理店「宝友」が8月27日、2年4カ月ぶりに営業を再開しました。
「宝友」を経営する宇城民商会員の末野博子さんと、長男の妻で3代目の影野麻子さんは「大変だけど、皆さんの力も借りながら頑張っていきたい」と話しています。
100人規模の宴会場も復活した「宝友」。薬膳茶が楽しめる「カフェ」も併設しました
「宝友」は宇土市内で100人を超える規模の宴会ができる唯一の場所。被害を受けた直後から、「いつ再建すると」などの励ましが相次ぎ、多くの利用者から再開を待ち望む声が寄せられていました。
しかし、店の再建費用は1億円超。「本当に返済できるの」と悩みに悩んだ末、末野さんは費用の4分の3を国・県が補助する「グループ補助」の活用を決心。申請書類も二人で作成し、店の再建を図ってきました。
オープンした新店舗には、中華料理に加え、癒やしの空間として薬膳茶も提供する「カフェ」も設置しました。
グループ補助金については、書類審査は通ったものの、最後の書類を提出した後に受ける県の審査が待っています。
末野さんらは「やっとここまで来たという実感はありますが、2年ものブランクは大きい。お肉の値段一つとっても上がってしまっていてビックリ。大変だけど家族で頑張っていきたい」と話しています。