全国商工新聞 第3361号2019年5月20日付
衆院経済産業委員会で参考人として意見陳述する気仙沼本吉民商の千葉副会長
宮城・気仙沼本吉民主商工会(民商)の千葉哲美副会長は4月24日、中小企業強靭化法の一部改正案を審議する衆議院経済産業委員会に出席し、参考人として意見陳述を行いました。
同法案は、自然災害の頻発と経営者の高齢化によって、中小企業等の事業継承が危ぶまれる中、災害対応力を高めるとともに円滑な事業継承の促進を目的に支援を図ろうとするもの。
千葉氏は、東日本大震災で復旧・復興にあたった経験を踏まえ、グループ補助金が地域経済復旧に決定的な役割を果たしたと述べるとともに、震災から8年が経過する中、新たな課題が生じているとし(1)回復が思い通りにいかず自己調達分の返済が困難になっている問題(2)営業継続が困難になった事業者が、補助金の返還を求められている問題を指摘。「柔軟な対応」を求めるとともに、「今後、災害からの復旧支援の補助を実施する場合には、グループ構成を求めず、個別企業へ補助できるようにしてほしい」と要望しました。
また、同法案については、BCP(事業継続計画)の策定の有無を支援助成の判断基準としないこと、BCP推進においては官製商工会等だけでなく民主商工会など幅広い支援団体に協力を呼び掛けるべきと意見を述べました。
また、「求められる中小企業への支援策は」との議員からの質問に答え、「10月からの消費税増税は絶対に行わないこと。社会保険料や国保税の引き下げを図り、小規模企業振興基本法に基づく、きめ細かい支援が求められる」と強調しました。
同じく参考人として意見を述べた古賀茂明氏(元経産省官僚)も「増税、軽減税率、キャッシュレスの三つの対応を中小企業に求めることは衝撃が大きすぎる問題だ」と安倍政権の増税方針に疑問を投げ掛けました。