私たちは自分の税金を自分で決定し納税します。これは私たちに認められた申告納税という基本的な権利です。この権利の上に立ち、1年間の所得(もうけ)や税額を確定させるのが確定申告です。また、確定申告書は住民税や国民健康保険料・税の賦課決定の資料となります。申告期限の間際に焦って計算すると、思わぬ税金を納めてしまうこともありますから、早めの準備がとても大切です。
個人の確定申告は、2021年2月16日から3月15日の間に行います。住宅借入金控除や医療費控除などの還付申告は、年明けからすぐに申告できます。
確定申告をしなくてはならない人は、①個人で商売の売り上げや家賃収入があり、利益が生じた人②給料や年金などの収入があって本来確定申告は不要だが、医療費控除などによって還付を受ける人、不動産を売って利益が生じた人、あるいは自宅を購入し住宅借入金控除を初めて受ける人―などです。
まず、①のいわゆる事業を営んでいる人ですが、確定申告を通じて、自分の所得や納める税額を計算します。②の給料や年金収入がある人は、既に「源泉徴収制度」により所得税を前払いしているため、給料や年金以外の収入がなければ還付される場合が多いです。
図表で計算方法の流れを見ます。例えば、事業所得や不動産所得における経費とは、仕入れや水道光熱費など、事業収入を得るために必要な支出(家事費を除く)を指します。何種類もの所得があるときは、全ての所得を合算して「③合計所得金額」を算出します。「④所得控除」とは基礎控除や配偶者控除、医療費控除などで、合計所得金額から控除します。「税額控除」は、⑥住宅借入金控除や⑦政党等寄付金控除などをいい、「⑤課税総所得」をもとに計算した所得税額から控除されます。
このように何段階もの計算手順を踏んで、納付(還付)税額を確定します。
なお、復興特別所得税(所得税×2・1%)は申告書を作成する際に記載漏れの多い事項ですので注意してください。
また、「確定申告書に個人番号を記載しないとダメでしょうか?」という質問をよくされるのですが、国税庁は「個人番号の記載がなくとも有効な確定申告書として扱う」旨を明言しています。