5日に閉会した臨時国会で、改憲をめぐる重大な動きがありました。
衆議院の憲法審査会で自民・公明両党が国民投票法改正案の早期採決を求め、日本維新の会が質疑終了・採決を求める動議を提出したのです。
採決は見送られましたが、投票法改正を改憲論議の“呼び水”にしたい改憲派の焦りの表れです。
与党提出の改憲手続法改定案は、16年に成立した公職選挙法改正の内容と同様に、「投票環境を向上させる」などとしています。しかし、テレビ・ラジオの有料広告の規制や、公務員・教育者の運動に対する規制、最低投票率の定めがないなど、現行の手続法が持つ問題点について、全く検討がされていません。野党提出のCM規制なども議論しないで、与党案を強行的に採決することは許されません。
そもそも、憲法改正の議論は、国民から改正を求める意見が大きく発せられてから行うべきものであり、「憲法尊重擁護義務(憲法99条)」を負う首相や国会議員が改憲議論を主導することはできません。国民投票法改正案の実質審議は、わずかな時間行われただけで、急いで法案を成立させる必要はありません。
安倍政権を継承する菅義偉首相は「憲法改正にしっかり取り組む」ことを公約に掲げ、9条改憲をもくろんでおり予断を許しません。
憲法審査会がほとんど動かず、8国会で国民投票法改正案が継続審議となったのは、国民の世論と私たちの運動が、立憲野党と市民の共闘を強め、憲法改悪を止める大きな力になってきたからです。
自民党と立憲民主党の幹事長会談で、国民投票法改正について「次の通常国会で何らかの結論を得る」との合意がされたと報じられました。年明けの国会で、「改定するな」と政党、議員などへ働き掛けることが急がれます。
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中で、医療崩壊を防ぐ社会保障の充実、国民生活と中小業者支援こそが求められています。
「平和でこそ商売繁盛」を信条に「改憲発議に反対する全国緊急署名」(安倍9条改憲NO!全国市民アクション)などで大いに対話を広げましょう。