岩手県滝沢市は9月29日、「緊急経済対策として消費税5%への引き下げを求める意見書を政府に送付していただくこと」を求める請願を採択しました。盛岡民主商工会(民商)が生活と健康を守る会や新日本婦人の会、医療生協と共同で提出したものです。
諸外国の減税事例 商工新聞で示し
参考人として、民商の藤沢光一会長が9月4日の総務常任委員会に出席。諸外国で付加価値税(日本の消費税)が減税されていることを紹介した商工新聞を資料として活用し、コロナ禍で苦しむ地域業者や住民の状況を説明しながら、「消費税率5%への引き下げを国に要望してほしい」と訴えました。「社会保障に必要ではないか」などの議員からの質問にも、「財源を消費税に限定する必要はない」と答え、4対1の賛成多数で採択されました。
29日の本会議では、委員会報告の後、公明党議員が「消費税引き上げ分は、社会保障や幼児教育の無償化、住民税非課税世帯の私立高校や大学の授業料無償化に使われている。5%に戻すと、これらの充実・支援が止まってしまう。『負担は少なく、保障は充実させろ』で、請願を採択していいのか」と反対討論。
仲田孝行議員(共産)が「昨年10月の10%への増税で、日本は戦後最大の不況に陥っている。消費税は、貧しい者の負担割合が高く、富める者が負担を感じない不公平税制だ。増税分も大企業の法人税減税に使われている。消費税減税は景気を直接刺激し、不況対策として効果がある」と賛成討論しました。採決では、10対8の賛成多数で採択されました。
市長と懇談など行政に要望伝え 民商滝沢支部
藤沢会長は「滝沢支部では、毎年市長と懇談を行うなど、行政に私たちの要望を伝えてきた。今回、他団体と共に請願を提出し、コロナ禍で苦しむ地域の要求が採択され本当に良かった。引き続き地域の仲間と共に消費税減税の運動に取り組んでいきたい」と意気込みを語りました。