社会保険料で特例 減収1カ月で減額に|全国商工新聞

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 厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の影響で休業し、報酬(給与)が著しく下がった場合、健康保険・厚生年金保険料の負担を軽くするための特例を設け、6月24日、健康保険組合と日本年金機構に文書を発出しました。
 通常は給与が3カ月連続して減少した場合、4カ月目に保険料が引き下がりますが、特例は給与減少が1カ月でも翌月から保険料引き下げを可能にしたもの(図)。

 対象は5月から8月分の保険料です。①新型コロナの影響による休業で、4月から7月までの間に、給与が著しく低下した月がある人②著しく給与が低下した月に支払われた給与の総額(1カ月分)が、通常の標準報酬月額に比べて2等級以上下がった人③改定内容に本人が書面により同意している-以上三つ全てに該当することが必要です(保険に加入した期間が急減月を含めて3カ月未満の人は対象外)。
 月額変更届(特例用)に申立書を添付し、管轄の年金事務所に申請してください。同一の保険加入者が複数回申請することや、申請後に急減月の選択を変更することはできません。
 また、7月または8月に特例を受けた人は、9月からの標準報酬の決定が行われないため、休業が終わった月から継続した3カ月間の平均給与が2等級以上に上がった場合は、月額変更の届出が必要です。
 新型コロナの影響で売り上げが減少し、社会保険料が納付できなくなった場合、納付の猶予などが適用されます。金融機関等への財産調査や財産の差し押さえなどの滞納処分も停止されますので、最寄りの民主商工会(民商)に相談してください。

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