新型コロナ対策の拡充が強く求められる中、安倍首相は通常国会を無理やり閉じ、改憲への策動を強めています。
6月18日の記者会見で、9条改憲や緊急事態条項の創設を、自民党として提示済みだと強調。その上で、自民党総裁である自らの任期内に改憲を「やり遂げなければならない」と表明しました。
20日には橋下・日本維新の会元共同代表とネットで対談。橋下氏から「憲法審査会を進めるための解散・総選挙をぜひやってもらいたい」と注文されると、首相は「必要とあらば、ちゅうちょなく国民の声を聴きたい」と応じました。
22日には、細田・自民党憲法改正推進本部長と会談。国民投票法改正への意見交換と併せ、首相から細田氏に「現場で頑張って」と伝えたといいます。国・地方の自民党議員を動員し、改憲機運を高める「研修会」がコロナ禍での中断から再開へと向かう危険性が高まっています。
改憲に前のめりになる安倍首相ですが、広範な国民は、今日の未曽有の危機に際しても決して改憲など望んでいません。
例えば、時事通信の「憲法に関する世論調査」(5月)で、9条改憲への反対が69%に上り、安倍内閣を支持する人でさえ、反対が57%に及びました。そして、憲法を「改正しない方がよい」とした理由では「戦後の平和と安定に大きく寄与したから」が最も多く、次いで「軍事大国化の歯止めになるから」でした。
民商・全商連は、主権者である国民の「平和的生存権」を守り、平和産業の担い手である中小業者の役割を正当に評価する社会をめざして奮闘してきました。安倍暴走政治に反撃し、市民と野党の共闘に貢献して、消費税の増税とコロナ禍による未曽有の危機打開にも力を合わせてきました。
大局的に見れば、「税の在り方と使い道」を正す世論と運動が高まったことで、多彩な休業補償を実現し、国保の傷病手当にも道を開き、「戦争税」を本質とする消費税の減税に向けた共同を広げています。
憲法理念を徹底して生かすたたかいを強め、改憲への安倍首相の野望を粉砕しましょう。