国保料減免の改善迫る 3割減「見込みで可能」|全国商工新聞

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全商連がヒアリング 厚労省が回答

 全国商工団体連合会(全商連)は6月19日、厚生労働省へのヒアリングを行い、新型コロナウイルス感染症に関わる国民健康保険(国保)料・税の減免制度の充実・改善を求めました。

「見込み」で減免 返還を求めない

国保料・税の減免制度の充実を求めた厚労省とのヒアリング

 要件で決めた「事業収入の3割減少」について、同省は「見込み額で判断して差し支えない。収入減少の確認は自治体によって異なるが、確定申告書だけでなく、帳簿や給与明細書などによって合理性を担保しつつ判断する。結果的に収入が3割減少しなくても、減免は取り消されない」と回答。さらに「3割減少の見込み額は直近2、3カ月で算定する自治体が多いが、合理性が担保されれば、直近1カ月でも構わない」との見解を示しました。
 3割減少の見込み額に関わって倉林明子参院議員(共産)が厚生労働委員会(6月17日)で取り上げ、「減少見込みで減免し、結果として3割以上減らなかった場合でも減免取り消しとせず、返金は求めないか」とただしたことに対し、加藤勝信厚労相は「その場合も国の財政支援の対象となる」と答弁しています。
 収入減少の対象に関わって「主な生計維持者になっているが、世帯主より家族の所得が多い場合がある。機械的に世帯主とせず、柔軟な対応を自治体に指導してほしい」との要望に対して「自治体からの問い合わせには世帯主に限らず、主な生計維持者と答えている」と説明しました。
 今回の減免措置は自治体の条例や規約に基づいて行われます。同省は制度実施に合致する定めがない場合は条例等の改正が必要であり、自治体からの問い合わせが続いていると回答。何らかの形で申請減免や規約を定めているのは、全国1716自治体のうち1703自治体と答えました。

フリーランスも 減免対象にせよ

 一方で、「雑所得で申告しているフリーランスは国からの財政支援の対象にならない」ことが明らかに。全商連は「持続化給付金では当初、雑所得で申告しているフリーランスは対象ではなかったが、第2次補正予算では持続化給付金の対象になった。国保には大勢のフリーランスが加入している。減免制度から切り離さないでほしい」と要望しました。
 また、昨年が給与所得で、今年、事業所得になった人の場合、コロナ禍で収入が前年比3割以上減少しても、減免対象にならないことも判明。申請減免が、同じ所得での比較を基本にしているためです。「所得区分が変わっても、収入が減って困っている人が減免対象から外されると国保料・税が払えず、保険証を失う人たちが出てくる。命を脅かさないでほしい」と訴えました。

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