「機械的な対応しない」
新型コロナ感染症の拡大により、経営に大きな影響を受ける事業者の事業継続を支える「持続化給付金」に申請が殺到しています。しかし、「ウェブ申請しか認めない」「前年同月比で売り上げが50%以上減少が要件」など、機械的な線引きによる「切り捨て」に批判が高まっています。全国商工団体連合会(全商連)は11日、第2次補正予算の編成への要望を踏まえて、国税庁、経済産業省と交渉。持続化給付金の申請・審査を中小業者やフリーランスの実態に合ったものに改善するよう求めました。
該当者だれ一人取り残さないで
交渉には全商連の岡崎民人事務局長、中山眞常任理事らが参加しました。「給付に該当する中小業者をだれ一人取り残さないことを基本にする」よう要請しました。個人事業主の申請に必要な確定申告書について、収入金額が記載されていなくても税務署は確定申告を有効なものとして受け付けていると指摘。「収入金額が記載されていないことをもって修正を求める機械的な対応は改めるべきだ」「インターネット環境がない事業者も多いのでウェブに限らず、郵送での申請も受け付けること」を要望しました。
また、フリーランスの場合、確定申告書に所得金額を「雑所得」や「給与所得」として記載しているケースも少なくありません。複数の会社と契約し「給与」を得ているバスガイドの事例を紹介し、「事業所得」でないからと機械的に給付対象から外すことなく、実態に即して判断するよう求めました。
経済産業省の担当者は「1社もつぶしたくないという思いは共有している」と発言。
収入無記載でも対応はしていく
「『迅速』化からウェブ申請としたが、申請できない人にはサポート体制を準備し手伝っていきたい。確定申告書に『収入金額等』の記入がなくとも、(収支計算書や帳簿等など他の書類で確認できるのであれば)時間はかかるが対応していきたい」と答えました。
神奈川県商工団体連合会(県連)のコロナ影響調査も紹介しながら、「売り上げ減が50%以上までいかないため、持続化給付金申請の対象にならない業者も多くいる」ことや、同給付金が支払われたとしても自粛に伴う「固定経費の一部にしかならない」厳しい実情などを訴え。第2次補正予算では、支援から漏れる中小業者を出さないように拡充を求めました。
同担当は、「地代家賃の助成や雇用調整助成金の引き上げなども検討されているところなので、迅速化はもとより機械的な対応にならないように努めていきたい」と述べました。
要望には日本共産党の清水忠史衆院議員、岩渕友参院議員が同席しました。
「代替資料で給付可能」 梶山経産相
13日の衆院経済産業委員会で、柔軟な審査を求めた日本共産党の笠井亮議員に対して、梶山弘志経産相は、「個別のケースを慎重に検討して、確定申告書第一表に代替する書類が確認されれば、当該資料をもって給付を認めることはあり得る」と答弁しました。