弱者に重い不公平な税制と強権的な税務行政を告発し、税金の集め方と使い方の是正を求めて、広範な納税者が声を上げる場として3・13重税反対全国統一行動を発展させよう―。全国商工団体連合会(全商連)などで構成する3・13重税反対全国統一行動中央実行委員会は9月20日、国会内とオンラインで全国を結び、「3・13の発展をめざすシンポジウム」を開きました。会場に70人、オンラインで272カ所から視聴されました。
参加者からは「税務署のやりたいようにやらせていいわけがない!との思いで、統一行動への参加者を増やしたい」「国の主権者である納税者として、一人でも多くの人たちと権利を主張したい」などの感想が寄せられました。
全商連の太田義郎会長が主催者あいさつ。「消費税インボイス(適格請求書)で、中小業者は大変な目に遭っている」と強調。「その一方で、トヨタなどの大企業は消費税を1円も払わず、自民党の裏金議員の多くが無罪放免だ。こんなことが許せるか。税金がどう集められ、どう使われているかを学び、多くの人に広げていこう」と呼び掛けました。
全労連の香月直之常任幹事が基調報告を行い、「全国の納税者が国の主権者としての自覚を高め、税制・税務行政の是正を求めて一斉に声を上げ、行動する方向へ『3・13』を発展させよう」と提起しました。
西田穣弁護士をコーディネーターに、全商連の服部守延常任理事(税対部長)、中村芳昭青山学院大学名誉教授、奥津年弘税理士がパネル討論しました。
服部さんは、税務調査での横暴で違法・不当な行為や、徴税の強権化を告発。税務相談停止命令制度の施行に触れ、「『納税者を脅し、従わせる税務行政』から『納税者を保護し、サービスに徹する税務行政』に転換するために、納税者権利憲章の制定が必要だ」と提唱しました。
中村教授は、”納税者ファースト”の視点に立った米国の滞納者の権利保障・救済の仕組みを紹介。「日本でも、先進国の国際的標準に従った滞納者の権利保障に向けた法的手当てが必要だ」と報告しました。
奥津税理士は、税務行政におけるデジタル化の強制で、納税者の「不利益化」が一層進むと指摘。「強権化する調査や徴収を許さないたたかいを進め、納税者の声が本当に反映される政権を求める運動が大切だ」と強調しました。
西田弁護士が、まとめ発言。「3・13重税反対全国統一行動を発展させることが重要だ。納税者の権利の後退を許さず、不断の努力で守り、権利憲章をつくることが必要」と指摘。「停止命令制度が施行されて初となる来年の3・13統一行動をしぼませることなく、納税者が大きな声を上げる運動をつくり上げよう」と呼び掛けました。