強権的な税務行政許すな 全商連第6回サポーター学校|全国商工新聞

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オンライン上の参加者同士が質問に答え合ったサポーター学校
12人が視聴した第3回サポーター学校=9月3日、宇城民商事務所

 全国商工団体連合会(全商連)は9月24日、「第6回・自主申告サポーター学校」をオンラインで開催しました。追加講義として、第1回~第5回の学校で参加者から寄せられた要望に応え、強権的な税務行政とどうたたかうかをテーマに行いました。全国304カ所で視聴されました。
 全商連の中山眞常任理事が「税務調査とどうたたかうか」、北海道商工団体連合会(北海道連)の井上元美事務局長が「滞納処分から身を守る10の対策」と題して講義しました。
 中山さんは、税務署の横暴な調査の狙いは、調査対象者の所得を推計して追徴税額を押し付ける「推計課税」にあると指摘。「類似同業者比率」や「資産負債増減法」など推計課税に至る手順を具体的に示しながら、税務署の横暴なやり方を批判しました。
 「推計課税を打ち破る一番の対策は、『納税者の権利』と『実額』を主張してたたかうことだ」と述べ、「推計はあくまでも推計であり、実額にはかなわない。だから自主計算が大事だ」と強調。実額主張する際の留意点などに触れながら、対策のポイントとして、「そもそも実態を無視した、過大な推計によって追徴された税額は納めることができない。納税の猶予を申請し、少額の分割納付を認めさせ、執行停止にさせるたたかいをしよう」と呼び掛けました。
 井上さんは、全商連の「自主計算パンフレット」を示しながら、「滞納処分から身を守る10の対策」(下の図)を一つ一つ解説。北海道内の民主商工会(民商)で実際に活用されている請願書の具体例を示し、「差し押さえの執行後や執行前に、『請願権』による請願書の活用に挑戦しよう」と呼び掛けました。

「滞納処分から身を守る10の対策」(自主計算パンフレットより)

 6回の「サポーター学校」を通し、全国の参加者から寄せられた質問に、報告者や参加者が互いにオンライン上で答えました。
 「3・13重税反対全国統一行動への参加者を増やすために行っていることは」との質問に、長崎・島原民商の友永紀子事務局長は「班会に参加してもらい、『春の運動DVD』の視聴や情勢の学習などを通して3・13統一行動に参加する意識を高めている」と回答。「自主計算、自主申告の取り組みをどう進めてきたのか」との質問に、滋賀・湖東民商の谷口博幸会計=自動車修理=は「ブロック学習会や支部学習会、班学習会を繰り返し、自主計算の力を強めてきた。これを6年前くらいから始め、3年ほど前からだいぶ力がついてきた」と答えました。

呼び掛け強め参加者増 熊本・宇城民商 自主記帳へ決意高め

 熊本・宇城民主商工会(民商)は「自主申告サポーター学校」を毎回、民商事務所で視聴。来年の確定申告を「班会で相談し合いながら進める」「事務局員だけに任せず、役員や税金相談員だけで班会を開くことに挑戦しよう」と役員会で相談し、西村克美要求運動委員長=紙裁断=を先頭に、民商や婦人部の役員、会員に「サポーター学校」参加の呼び掛けを強めてきました。その結果、回を追うごとに参加人数が増えました。
 第1回は、建設業を営む会員1人と事務局員の計2人でした。会員からは「自分で自主計算パンフレットを読むだけでは分からなかったが、説明を聞いて、よく分かった。また参加したい」との感想が。しかし、第2回も会員と役員、事務局員の4人だけでした。終了後、「このままの参加人数では、確定申告学習会の計画も立てられない」と率直に話し合い、要求運動委員長を先頭に、役員や会員に声を掛けることを決めました。
 その結果、第3回は12人、第4回は11人、第5回と第6回は8人が参加しました。
 参加者は「パソコン記帳を半年ためている。値上がりも、あまり把握できていない。値上げ交渉のためにも早急にやる」(製造)、「自主記帳は毎日、継続して記録することが大切なので、カレンダーへのメモ書きなどは続けられると思う」(鉄工)など今後、自主記帳を進めていく決意を感想に記しました。
 「重税を強いられていることも、あらためて認識した」(農業)、「インボイスをやめるために消費税をなくすための行動が大事だと思った」(機械設計組立)など、不公平な税制や強権的な税務行政に対する怒りの声も。「自分が記帳をできるようになれば、安心して人に教えられる」「『みんなが先生、みんなが生徒で学び合う』のは、いい言葉」など、民商として自主計算、自主申告の運動を進めていく意義を深め合いました。
 宇城民商では、参加した会員や役員らで「自主申告サポーター学校・懇談会」を開き、学んだことを、どう生かしていくのかを話し合う予定です。

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