台風10号の九州上陸に伴い、8月28日から29日にかけて宮崎県内では、広範囲さいとで竜巻とみられる突風が発生。宮崎、西都の両民主商工会(民商)会員も甚大な被害を受けました。
宮崎市内の大塚・大淀・赤江地域、佐土原町、宮崎市の隣町の国富町の宮崎民商の会員が突風の被害を受けました。宮崎民商では、不幸中の幸いにも、人的被害の報告は受けていません。建物被害は深刻で、特に被害が大きかった赤江地域は、突風が通った場所と、通らなかった5メートル隣との光景が全く違う状況が広がっていました。
赤江地域にある宮崎民商の山崎栄一郎会長=水道工事=の事業所では、駐車場に近所の車が数台飛んできて横転。社用車8台と事務所の屋根が破損しました。山崎会長は「設置したばかりの民商の看板も、どこかに吹き飛ばされた」と突風のすさまじさへの驚きを語りました。
大塚・赤江地域では、その他にも「自宅兼店舗の屋根に設置したソーラーパネルが破損し、屋根に穴が開いて、2階が水浸しに。窓ガラスや看板、車2台のカラスが割れた」(理美容)、「自宅兼店舗の屋根のスレートの一部が吹き飛んだ」(飲食)、「作業場や工場の屋根に物が飛んできて穴が開いた」(金物工事)など、会員から被害の報告が相次ぎました。全ての被害状況を把握できておらず、引き続き、会員に報告を呼び掛けています。
西都市では8月29日深夜に突風が発生。同市妻町を中心に電柱や街灯が倒れ、屋根の瓦が飛ぶなど家屋にも被害が出ています。
西都民商には「店舗兼住宅の壁に大きな穴が開き、エアコンの室外機2台がずれ、看板が破壊された」(飲食)、「店舗のシャッターが破損。倉庫に飛散物が」(事務機器販売)、「自宅が雨漏りし、カーポートが壊れた」(飲食)など被害報告が届きました。
「屋根へのブルーシートの設置などで目も回る忙しさだ」と話すのは西都民商の本部真一会長=建築=です。「地域で屋根工事ができる事業者は限られている。資材高騰の影響で修理もままならない被災者もいる。政府や自治体の支援策が必要だ」と訴えました。