岸田首相が政権投げ出し 怒り集め、自民党政治終わりに|全国商工新聞

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 自民党総裁の岸田文雄首相は8月14日、任期満了に伴う自民党総裁選(9月27日)に立候補しないと表明。裏金事件など自民党に対する国民の怒りが、事実上の退陣に追い込みました。安倍晋三氏、菅義偉氏と3代続けての政権投げ出しです。
 岸田首相は記者会見で、統一協会との癒着や政治資金パーティーを通じた裏金事件を巡って「国民の不信を招いた」と述べました。しかし、どちらも真相解明に背を向け、「国民の方を向いて重い決断をした」とする政治資金規正法「改正」も、抜け道だらけとなり、支持率低迷に陥りました。
 経済政策では、大企業と富裕層をもうけさせる一方、庶民に利益がしたたり落ちるとした「トリクルダウン」は起こらず、国民の実質所得は激減。異常円安や「インフレ不況」を招いて物価高倒産が増加するなど、生業と暮らしは厳しさが増しています。消費税減税など、国民生活を底上げする経済政策への転換が求められますが、岸田政権が実施した「定額減税」は、業者婦人などを対象外(給付で対応)にするなど、複雑な制度である上に効果は限定的で、不評を買いました。
 戦後の安全保障政策を大きく転換させた「安保3文書」の改定で、敵基地攻撃能力の保有や、5年間で総額43兆円もの軍拡を推進。憲法改悪を狙いつつ米国とともに「戦争する国」へと突き進む岸田政権は、平和を願う国民の声に、耳を傾けませんでした。
 記者会見で、「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くこと」と強弁。しかし、総裁選候補者と目される11人を見ても、社会保障改悪を担い、マイナンバー推進で国民監視を強め、憲法改悪を狙う顔ぶればかりです。自民党政治を変えない限り、国民本位の政治は実現しません。総裁選後には、総選挙も取り沙汰され、「自民党政治を終わらせよう」の世論を高める必要があります。
 19日には、東京・日比谷野外音楽堂で「theEND自民党政治!9・19日比谷集会&デモ」(19時から・総がかり実行委員会主催)が予定されています。会場いっぱいの参加者で集会を成功させ、私たちの要求を実現させる政治に転換させましょう。

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