国は生活再建に支援強めよ 仮設住宅へ物資、高齢者の声聞き|全国商工新聞

全国商工新聞

能登支援で手記 東京・渋谷民商会長 田中正敏さん

 東京・渋谷民主商工会(民商)の田中正敏会長=建設=は先ごろ、区内の諸団体と共同で、能登半島地震の被災地を訪れ、支援を行いました。手記を紹介します。

車窓から復興の惨状を目の当たりにし、国の支援の必要性を実感しました

 5月14~16日、2泊3日で能登被災地支援に参加してきました。渋谷から8人が参加し、車3台に分乗し午前9時30分に出発。8時間かけて石川県羽咋市内の
 共同支援センターに到着しました。共同センターからは、さらに約2時間かけて輪島市門前地区の2カ所の仮設住宅に支援物資を届け、皆さんから困り事や要望などを聞き取りました。過疎地からの避難者が多く、交通網の遮断で孤立し、5月に入って仮設住宅にようやく入れた方々が大半でした。しかし、やっとのことで入った仮設住宅は手狭な上に、2年間の限定入居です。国や自治体の支援策が不透明なため、日常的なストレスを抱え、将来への不安を抱えていました。
 老々介護で疲弊しているという77歳の女性や、働き盛りの50代半ばの男性は「倒壊した家を再建したいが、いつ再び大きな地震が来るか不安」「再建に、どれほどの支援が得られるのかと考えると、途方に暮れるばかり」と訴えていました。
 仮設住宅には、多くの高齢者が少ない年金で生活しており、持参した支援物資が喜ばれました。被災者の実情に触れ、要望を聞く中で、非常に悲しく、切ない気持ちになりましたが、帰りがけに笑顔で手を振る姿に元気をもらいました。
 短い時間でしたが、能登半島地震の惨状や、被災者の生活再建の見通しが持てない現状を目の当たりにし、被災者に寄り添うことなく、希望の持てる対策も打ち出せない政府への怒りを強く感じ、生活再建への支援を国に強く訴えていく決意を改めて持ちました。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから