沖縄県議選(6月7日告示、同16日投票)が間近に迫りました。地元の民商・県連は、沖縄を二度と戦場にさせないと訴える玉城デニー県政を支える「オール沖縄」勢力の過半数獲得へ全力を挙げています。
1995年に起きた米兵による少女暴行事件を機に爆発した沖縄県民の怒りに危機感を持った日米両政府は、米軍基地縮小の一環として県内移設を条件に普天間基地の返還を表明しました。県議会議長と41全市町村の首長・議会議長は2013年、「米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設の断念」を求める「建白書」に署名し、普天間基地の県外移設を求めました。これが保守勢力を含む「オール沖縄」の源流であり、故翁長雄志県政から玉城デニー県政へ引き継がれています。
これに対して、日米軍事同盟を絶対視する自公政権は県政奪還へ策動を強めました。県への一括交付金を1千億円も削る一方で、政府に従う首長の自治体には県を飛び越えて交付金を支給するなど、徹底した懐柔作戦が行われ、自民党や公明党の議員が「オール沖縄」から脱落しました。
そして今、岸田政権は県民の意思を踏みにじり、知事の権限を奪う「代執行」という強権で米軍辺野古新基地建設を強行しています。欠陥機・オスプレイの飛行再開を容認し、うるま市や宮古島、石垣島への地対艦ミサイル部隊の配備や空港・港湾の軍事利用拡大を進め、日米共同訓練を重ねています。米軍基地周辺で検出された有機フッ素化合物(PFAS)の汚染源調査を求める住民の要求は日米地位協定を盾に拒まれたままです。
「オール沖縄」県政の打倒をめざす自民党は資金集めパーティーを開き、企業への締め付けを強めています。公明党や維新も議席増を狙うなど、県議会の定数48を与野党で24議席ずつ分け合う現状の打開を巡るたたかいは熾烈を極めています。
うるま市への陸上自衛隊訓練場の建設を、保革の違いを超えた反対運動で撤回させたように、県民の願いは「基地のない平和で豊かな沖縄の実現」です。7議席維持をめざす日本共産党など「オール沖縄」候補の勝利へ全国からの支援を強め、自民党政治を終わらせる野党共闘の流れを広げましょう。