「消費税の押し付け合い」インボイスの中止求める税理士のが会国会内集会|全国商工新聞

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インボイス制度中止せよとコールする税理士ら=4月25日、国会内

 「インボイス制度の中止を求める税理士の会」は4月25日、昨年10月の消費税インボイス(適格請求書)制度導入から半年を検証する国会内集会を開きました。中小業者らの税務相談にあたった税理士ら50人が参加(オンラインで300人以上が視聴)。制度導入後初の消費税申告の体験や業者の実態を踏まえ、インボイス制度の問題点を告発しました。
 同会代表の菊池純税理士は開会あいさつで、「インボイス制度は、税率を変えない増税だ。事業者間の消費税の押し付け合いになり、結局弱い免税事業者が消費税を負担したり、値引きに応じたり、廃業に追い込まれる」と告発。「税理士が中心になって廃止に追い込まなければならない」と呼びかけました。
 基調報告を行った日本大学の阿部徳幸教授は、「赤字でも納税が求められる消費税そのものについて、今、改めて考え直さなければならない」と提起。「”預かり金”ではないという消費税の本質などが、インボイス導入で明るみに出た。インボイス制度や消費税の廃止を求めていかなければならない」と語りました。
 神田知宜税理士は「これからどうなる?インボイス」と題して報告。「年収440万円のフリーランスを想定すると、2割特例で2万円(3カ月分)だった消費税額は、来年は4倍の8万円に。特例が廃止される2027年度には50%の『みなし仕入れ率』で計算すると、20万円に膨れ上がる」と解説。「中小業者は早晩、『もう無理』という事態になる。これを打開するには、社会保険料を4分の1まで減額し、消費税を廃止し、”ゼロゼロ融資”の返済を据え置きにすることが必要だ。そうすると、賃上げだってできる」と強調しました。
 会場の税理士らが顧客からの相談を踏まえて報告。「税負担に加え、コストと事務負担が増え、中小企業が大変な状況に陥っている」「インボイスの登録状況はわずか15%に過ぎず、千葉のある市では、新たに登録した業者の未申告割合は43%に達している。もはや制度そのものが破綻している」などの実態が紹介されました。税理士らは「2割特例が無くなる2027年までに、インボイス制度を廃止させないといけない」と共通して訴えました。
 湖東京至税理士が「消費税の大増税を招くインボイス制度を廃止させよう」と訴えると、会場から「インボイス制度を廃止せよ」とコールが返りました。
 集会では、「インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)」の小泉なつみさんが、同会が行ったインボイス制度の実態調査を報告。共産、立民、れいわなどの野党議員ら23人(うち秘書の参加は11人)が参加し、連帯あいさつしました。

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