岡田教授が講演
全国中小業者団体連絡会(全中連)は4月18日、全商連会館で業界懇談会を開き、全国保険医団体連合会(保団連)や全国FC加盟店協会、日本書店商業組合連合会(日書連)などの各団体から31人が参加。全国52カ所でオンライン視聴されました。京都橘大学の岡田知弘教授が「大規模災害対策はどうあるべきか~公共と中小事業者の役割」と題して講演しました。
太田義郎代表幹事(全国商工団体連合会会長)は主催者あいさつで、「第1次、第2次、第3次の各産業が、それぞれの役割を果たしながら、社会の発展を築いてきたシステムが、消費税導入以降の35年間で崩壊しつつある。各業界内や行政との連携が取れなくなる下、『公共』という概念もどこかにいってしまった」と指摘。「中小業者諸団体が果たしてきた社会的、経済的、地域のコミュニティーの保全という役割が今、問われている。私たちが手をつなぎ、多くの人たちが頑張れる社会の実現に向けて、力を合わせよう」と提起しました。
岡田教授は、大災害時代と呼ばれる今、「中小企業は、地域経済社会のインフラ(道路、鉄道、水道、学校、病院など)を実際に支えるとともに、中小企業の存在そのものが、地域経済・社会のインフラとなっている」と強調しました。
能登半島地震の被害状況や、復旧・復興の著しい遅れなどに触れ、「基礎自治体(市町村)が、いかに被災者の声に即した独自事業を展開することができるかが問題となっている」と指摘。「大規模災害の時代に備えて、自治体と中小企業との連携が一段と必要になっている」と述べ、「地方自治体の独自の役割とともに、自治体と住民、企業、業者団体との戦略的連携が求められている」と述べました。
日書連の根本隆俊さんは、「業界内の会合で、能登半島地震の被害を受けて十数件の書店が廃業したとの話が出ている」と報告。業界の課題として、「キャッシュレス決済の手数料負担や、図書館などの官公需で値引きを求められることで、利益が削られて、打撃を受けている」と語りました。
住江憲勇代表幹事(保団連名誉会長)が閉会あいさつ。「新自由主義の下で、公共や社会保障を切り捨てる政治に対し、国民の側から反撃ののろしをあげていこう」と呼び掛けました。