女性差別撤廃委で56条審議 派遣までに成果を積み上げよう|全国商工新聞

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 今年10月にスイスのジュネーブで国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の日本報告審議が予定されています。CEDAWは、1979年に国連で採択された「女性差別撤廃条約」に基づいて設置された国際機関です。条約実施状況を審議し「総括所見」を発表、勧告を行います。
 所得税法第56条の問題は、2009年の審議で初めて取り上げられました。全商連婦人部協議会(全婦協)が日本婦人団体連合会や日本女性差別撤廃条約NGOネットワークとともに提出したリポートに対する質問がきっかけになり、国連の場で56条の理不尽さを明らかにしました。
 16年の総括所見では日本政府に「所得税法の見直し」が勧告されました。所得税法が個人事業者や農業従事者の配偶者や家族の所得を必要経費と認めておらず、女性の経済的自立を事実上妨げていることに懸念が示されています。
 この勧告を機に、民商婦人部は決意新たに国会請願署名に取り組みました。地方議会の意見書採択は571自治体に広がっています(5日時点)。財務省は、記帳水準と家族従業者の人権をてんびんにかけるかのような回答を繰り返していますが、人権侵害は許されるはずもなく、これを押し返す運動が必要です。
 広範な女性たちとの共同行動を強めることが大切です。家族従業者の「働き分が認められる」ことは労働が正しく評価され、女性労働者への不当な賃金差別の是正につながります。「国民健康保険に傷病・出産手当を」はフリーランスで働く女性にも共通する要求です。人間らしく生き、働くための労働条件や社会保障制度の確立に向けたルールを国際水準にまで引き上げることが強く求められます。
 CEDAW審議は国際的な視野から差別撤廃と女性の地位向上の運動の新たな可能性を広げる絶好の機会です。この審議の傍聴とロビイ活動のため、今回で3回目となる全婦協の代表派遣を行います。
 業者婦人の切実な要求を国・自治体に働き掛け、56条廃止の意見書採択を広げる国内の取り組みを強めます。全婦協の代表が国連で存分にアピールできるよう成果を積み上げ、派遣を支える物販カンパにも力を合わせましょう。

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