大分県宇佐市 全会一致『インボイス見直しを求める意見書』採択 宇佐民商諦めず、1年余り働き掛け|全国商工新聞

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 大分県宇佐市は12月議会で「インボイス制度導入後に大きく影響を受けている事業者に対する制度の見直しを求める意見書」を全会一致で採択しました(12月20日)。宇佐民主商工会(民商)が諦めず、1年余り議会への働き掛けを続けた成果です。

意見書採択を喜ぶ宇佐民商の会員・役員ら

 意見書は、消費税インボイス(適格請求書)制度について、インボイス未登録事業者が「取引から排除される恐れ」があり、課税事業者も消費税負担増となるなど、広範な層が深刻な影響を受けており、「廃業の危機に追い込まれ、地域経済がさらに衰退することとなる」と指摘。そのため、日本商工会議所や全国中小企業団体中央会など多くの団体が懸念の声を上げ、多くの地方議会で導入延期や中止の声が広がっており、政府の打ち出した経過措置等では「根本的な問題は解消できていない」として、インボイス制度の見直しを強く求めています。
 民商は一昨年の12月議会で、「インボイス制度延期を国に求める意見書採択の請願」を提出し、日本共産党市議団とも連携しながら、市議会議長、副議長や各会派などに、インボイス制度が小規模事業者に深刻な影響を与えることなどを訴え、請願採択を働き掛けてきました。
 その結果、昨年9月の市議会で民商の請願は趣旨採択されたものの、意見書の取りまとめには至りませんでした。
 インボイス制度実施前の意見書採択は実現しませんでしたが、今回採択された意見書には民商の請願内容も反映されており、粘り強い働き掛けが実を結びました。竹内亮一会長=電気工事=はじめ役員は、「昨年9月議会で意見書提出が実現しなかったのは残念だったが、12月議会で意見書が採択されたのは画期的」「インボイス導入後、周りにも強引な値引きを迫られるなど影響の出ている免税事業者がいる」「廃止や見直しを求める動きが、全国の自治体に広がるといい」など、今回の成果を確信に、さらに運動を強めようと決意を新たにしています。

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