岸田政権が実施を強行 インボイスは直ちに廃止を|全国商工新聞

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 岸田文雄自公政権は1日、消費税インボイス制度の実施を強行しました。全国商工団体連合会(全商連)の太田義郎会長は同日、「インボイス実施に断固抗議し、制度廃止への共同を呼び掛ける」との声明を発表。各地の県商工団体連合会(県連)や民主商工会(民商)は強行実施に怒りの声を上げ、「インボイスは直ちに廃止せよ」と署名を開始しました。インボイス制度を考えるフリーランスの会(「STOP!インボイス」)は実施前の9月25日、首相官邸前で集会を開き、「インボイス実施を強行する政権を代えよう」と声を上げました。

滋賀県内4民商実施日に抗議

 1日、長浜市内で、インボイス強行に抗議する自転車パレードと署名宣伝に取り組みました。県内4民商から13人が参加しました。
 自転車パレードには9人が参加。長浜市内を約1時間、アピールしました。停車中の車から「何をされているのですか」と聞かれ、「インボイス制度の廃止を呼び掛けています」と答えると、「すごくいいですね!頑張って」と激励の声も。長浜駅では、「ガソリン税凍結、消費税減税、インボイス廃止を求める」署名20人分が集まりました。

自転車でアピール

中止の声聞く政治に STOP!インボイス官邸前アクション

「STOP!インボイス」の官邸前 アクションで声を上げる参加者
ステージに集まるタレントや議員らの多彩な発言者
大阪・東淀川民商の大垣和子さん

 「STOP!インボイス」「政治が僕らの声を聞く番だ」―。切実な叫びが、とどろきました。9月25日夜、インボイス制度を考えるフリーランスの会(「STOP!インボイス」)が首相リッス官邸前で開いた「LISTEN TO OUR VOICE岸田首相に史上最多のオンライン署名を届けようアクション」には、全国からフリーランスや個人事業者、一人親方、農家、漫画家、アニメーター、声優、市民ら千人を超える人々が集いました。
 「大好きな漫画、アニメ…。生活を彩るあらゆるものが、失われるかもしれない」(クリエイティブ・ディレクター、辻愛沙子さん)、
 「フリーランスには社会保障がない。今度は消費税。死活問題なんだ。だから必死で声を上げている」(ウーバーイーツ配達員、土屋俊明さん)、「出版社からインボイスの番号を教えるよう迫られる。私には、消費税は払えない。延期、廃止を」(文筆家、栗田隆子さん)、「限界を超えている酪農情勢なのに、余計な仕事が増え、さらに増税。いいことは何一つもない」(酪農家、金谷雅史さん)、「仕事は業務委託契約。すでに足りていない収入を、インボイスで、ますます税金として奪われる」(米国人の英会話講師、阪崎武蔵さん)。
 漫画家の由高れおんさんたまきのぞむと環望さんは「インボイスで、無くてはならないアシスタントさんがいなくなってしまう」(由高さん)、「『立ち行かない仕事ならやめてしまえ』と言われることもある。そんなこと言われる筋合いはない。僕らは個人としての仕事に誇りを持っている」(環さん)と拳を突き上げました。
 「STOP!インボイス」が取り組むオンライン署名は、午後8時半に52万3986人分に達し、さらに増え続けました。ところが、こうした声を顧みることなく、岸田首相が同日、官邸前アクションとほぼ同時刻に発表した経済対策には、インボイスの中止・延期は盛り込まれませんでした。
 同会発起人の小泉なつみさんは「インボイスの中止・延期が経済対策にならないと判断する政権を変えたい。次の選挙で、私たちの手で私たちの政治をつくっていこう」と呼び掛けました。
 大阪から3人で駆け付けた東淀川民商の大垣和子さん=非鉄金属仲買=は「地元2カ所で、オンライン署名への協力を呼び掛ける宣伝をしてから参加した。若い人たちが行動している。この人たちの芽を摘むような制度はストップさせないと駄目」と力を込めました。
 志位和夫(共産)、泉健太(立民)両党首・衆院議員をはじめ、多くの野党国会議員が駆け付けました。当初、署名の受け取りを拒否した首相は9月29日、世論に押され、秘書が受け取りました。

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