インボイス、保険証廃止中止へ 意見書など地方から声上げよう|全国商工新聞

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 内閣府が15日に発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値が、年率換算で6.0%増となる一方、GDPの5割を占める個人消費は減少しました。世界的な資源・エネルギーの高騰に超低金利政策による円安が拍車をかけた国内の物価高の影響です。
 中小業者の売り上げは回復せず、企業倒産が相次いでいます。実質賃金が減り続け、台風・豪雨災害による被害も深刻です。
 こうした時に、1兆円もの消費税増税を招くインボイス制度を実施することは到底、認められません。
 マイナンバーカード取得の実質義務化につながる健康保険証の廃止も重大です。
 別人の情報がマイナンバーにひも付けられた問題で政府は8日、誤登録が新たに1069件確認され、延べ8441件に上ったことを明らかにしました。他人の医療情報が誤ってひも付けされた事例も相次いで明らかにされ、命に関わる問題として国民の中に不安が広がっています。
 国民の7割が反対しているにもかかわらず、岸田首相はその声を無視し、「デジタル社会に移行できるよう政府、自治体、関係機関が一丸となって全力を」と、2024年秋に健康保険証を廃止するよう旗を振ります。
 健康保険証に代わる「資格確認書」の一律発行なども打ち出しましたが、マイナンバーカードの申請・取得・管理・利用に困難を抱える人たちが公的医療保険から遠ざけられる恐れは解消しません。
 全商連は、インボイス実施と健康保険証廃止の中止を求め、署名と自治体意見を求める地方議会請願に取り組むことを呼び掛けています。とりわけ10月1日の実施が狙われるインボイス制度の実施中止には、9月議会への働き掛けが極めて重要です。
 自治体意見は、地方自治法第99条に基づいて、議会の意思を国会や関係行政庁へ提出するものです。国会への提出は、地方分権に対応した地方議会の活性化に資するとして、2010年の地方自治法改正で追加されました。
 国と地方を対等な関係に位置付けた地方自治の本旨も生かし、インボイス実施、健康保険証廃止の中止を求める声を、地方から上げましょう。

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