新規開業者の資金確保へ 市補助金20万~60万円 6人が申請し全員採択 岩手・一関民商 予算拡充など制度改善も|全国商工新聞

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 岩手・一関民主商工会(民商)は、一関市の「起業者経営安定化支援補助金」の活用を進め、このほど申請した会員6人全員が採択されました。同補助金は、民商が「新規開業者は融資だけでは十分な資金確保ができない。返済不要の補助金を」と求め、2018年に創設されたもの。

「民商でサポートしてもらえて感謝です」と顔をほころばせる小野寺優美さん
一関民商では学習会で学び合って申請書を作成しています

 20万円~60万円の補助金採択を勝ち取った会員からは「設備投資ができて助かる」(生活関連サービス)、「物価が上がって、売り上げが厳しく、設備投資も難しい中、補助金は助かる」(建設)など感謝の声が寄せられました。5月にネイルサロンを新規開業した小野寺優美さんは「採択されて、とてもうれしい。民商で申請をサポートしてもらえて感謝です。これで、やりたいことを、しっかりやっていける」と顔をほころばせました。
 民商は申請に向け、学習会を複数回、開催。後藤幸枝婦人部長が①今の経営状況②課題は何か③商売を伸ばすために何が必要か④新規に導入すべき設備はあるか―など、事業計画の策定についてアドバイスするなど、みんなで学び合って申請書を作成。市の担当者も「収支計画を上方修正してはどうか」など親身に相談に乗ってくれたこともあり、6人全員が申請期限の5月31日までに申請を済ませ、採択につなげました。
 民商は制度の創設以来、市に対し、予算拡充や審査の公平化などを継続して要請。当初200万円だった予算は800万円に増え、先着順だった審査も、審査委員会が基準に基づいて行うものへと改善させてきました。制度の積極活用も図り、昨年までに14人が採択されています。

一関市 「起業者経営安定化支援事業補助金」

【対象者】
 一定の要件を満たす開業3年以内の法人または個人事業主

【対象経費】
①家賃
②施設改修費
③備品購入費
④事務機器リース料

【補助限度額・補助率】
①女性、50歳未満の男性、UIJターン者、特定創業支援事業の支援を受けた者限度額60万円・補助率4分の3以内
②①に当てはまらない者限度額40万円・補助率2分の1以内

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