国保改善を求めよう 中央社保協 学習交流集会|全国商工新聞

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講演する神奈川自治労連執行委員長の神田敏史さん

 全国商工団体連合会(全商連)も参加する中央社会保障推進協議会(中央社保協)は16日、日本医療労働会館で、2023年度第1回国保改善運動学習交流集会を開きました。会場に23人、オンラインで60人以上が参加しました。
 神奈川自治労連の神田敏史執行委員長が「国民健康保険制度をめぐる動向と課題」をテーマに講演。新型コロナの5類への移行、全世代型社会保障「改革」、異次元の少子化対策、マイナ保険証の推進、国民健康保険(国保)運営方針の改定など、国保に影響を及ぼす動きを取り上げ、この中で、全世代型社会保障改革は「社会保障への国の負担を減らし、子育て支援を名目に高齢者にいっそう負担を強いるものだ」と告発しました。
 岸田政権は社会保障への国の支出を抑制するため、「国保財政の安定化」を口実に、都道府県内での保険料水準の統一をめざしています。神田さんは「国は、都道府県の取り組み状況に応じて交付金の額が増えるようにし、保険料水準の統一を誘導しようとしている」と解説しました。
 各地の参加者が、国保改善運動の取り組みを報告。「8~10月、コロナ5類化や国保運営方針改定、マイナ保険証などをテーマに各市町村の国保課と懇談を行う予定」(神奈川)、「自治体キャラバンを43年間継続。名古屋市での保険料引き下げや、各地で資格証明書発行中止などを実現してきた」(愛知)、「維新府政によって、『大阪府統一国保料』が際限なく上がっている。市町村の国保会計は黒字でも国保料を下げられない」(大阪)、「実態調査から、過半数が無理して保険料を支払い、うち6割が生活費を削っていることが明らかになった」(千葉)、「松本市で31年ぶりに国保税の引き下げを勝ち取った」(長野)などと紹介しました。全商連の牧伸人常任理事が、民商・全商連の「国保改善」運動について述べ、「国保提言2022」を紹介しました。
 中央社保協の大嶋祐介事務局次長が①国保料・税の引き下げ②国保運営方針の見直しへの対応③健康保険証の存続を求める④資格証明書・差し押さえなどへの対応⑤一部負担金の減免制度の改善と活用―の五つの運動を提起。「各地で署名運動や請願書・要請書の提出、不服審査請求、自治体キャラバン要請などを旺盛に展開しよう」と呼び掛けました。

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