奈良民商 労働保険事務組合に加入の会員 業務によるコロナ感染の従業員に労災休業補償|全国商工新聞

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 「新型コロナで労災の休業補償を受けられるなんて、びっくり。休んで給料がないはずだったので助かりました」
 こう喜ぶのは奈良市のKさんです。勤務先を7日間休養し、労災保険から休業補償1万4280円が支給されました。
 きっかけは、店を営む奈良民主商工会(民商)のAさんが所属する済美支部の役員会で「従業員が新型コロナにかかって大変だ」と話したことでした。Aさんは、民商の労働保険事務組合で労災に加入していたことから、その話を聞いた事務局員が早速、労働基準監督署に問い合わせ。「行動履歴や勤務状況などから判断して、業務中に新型コロナに感染した可能性が高いこと」を条件に労災認定されることを確認しました。
 その後、休業補償給付支給請求書など必要書類を労基署に提出し、5日後に支給が決定。その3日後に振り込まれました。Aさんは「民商の労働保険事務組合に加入していて良かった。何でも話してみるもんやわ」と話していました。

業務によって新型コロナに感染した場合の労災保険給付

 労災保険の加入者で業務に起因して新型コロナウイルスに感染し、業務を休んだ場合は、雇用形態によらず、労災保険給付の対象となります。新型コロナの感染症法上の位置付けが「5類」に移行した後も、取り扱いは変わりません。

【対象者】
1、感染経路が業務によることが明らかな場合
2、感染経路が不明の場合でも、感染リスクが高い業務に従事し、それにより感染した蓋然性が強い場合
3、医師、看護師や介護の業務に従事し、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として対象
4、症状が持続し、療養などが必要と認められる場合

 労災保険給付の具体的な取り扱いは、次の通りです。

【休業補償給付】
 療養のために仕事を休み、賃金を受け取ってない場合、休業4日目から給付されます。支給額は、(休業日数―3日)×(発症日直前3カ月分の賃金÷暦日数×0.8)。

【療養補償給付】
 労災指定医療機関を受診すれば、原則として無料で治療を受けられます。それ以外の医療機関で受診した場合は、一度、医療費を負担した後で、労災請求することで全額還付されます。

【遺族補償給付】
 業務に起因して感染したために亡くなった労働者の遺族は、遺族補償年金、遺族補償一時金などを受け取れます。

【時効】
 2年間です。

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