消費税インボイス制度の登録取り下げ・失効件数が累計で1万件を超えました(15日現在)。5~6月に取り下げ・失効した件数は3997件に急増し、分析開始以来、最大に。単月で4千件に迫る勢いです。「STOP!インボイス」(インボイス制度を考えるフリーランスの会)が、国税庁が公表したデータを基に分析したもの。
国税庁が公表しているインボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトのデータを基に、当月と前月のデータを比較し、登録取り下げ・失効件数をカウント。5~6月の比較で6月分の取り下げ・失効件数は3997件となり、昨年6月分(5~6月の比較)からの累計で1万630件となりました(図)。
取り下げ・失効件数の中には、廃業や合併、企業統合などにより登録番号を失効したと考えられる件数も含まれています。国税庁の発表によると、6月末時点のインボイスの登録件数は約331万件です。
一揆などの成果 分析した後藤隆さん(フリーランスの会・仮名)
6月分の数字を見ると、取り下げ・失効件数が急増したことが分かります。これには年度末での廃業や合併、経営統合などで失効した数字が遅れて反映されている影響も含まれるとは思いますが、集計方法はずっと変わらず定点観測をしていることから、インボイス登録を取り消した事業者も急速に増えていることを表しているといえます。
6月には、「STOP!インボイス」などを中心として「全国一揆」が各地で取り組まれました。5月には一揆に向けた「作戦会議」も実施し、全国に配信しました。こうした活動の広がりで、インボイス制度の問題点と「取り下げ」できることが周知されてきたのだと思います。
建設や不動産などの業界大手が、インボイス制度への対応方針を相次いで発表し、登録しなくてもいい事業者が出てきた可能性もあります。
マイナ保険証の問題でも、制度の欠陥やトラブルが明らかになるにつれ、健康保険証の廃止撤回を求める運動やマイナカードの返納の動きが広がりました。
10月の実施まであと2カ月、インボイス制度の問題点をさらに周知し、運動を広げ、実施中止・延期を実現したいです。