兵庫県商工団体連合会(県連)と県中小商工業研究所は5月17日、経営力アップ交流会を神戸市内で開催。オンラインも併用し、民主商工会(民商)会員など約30人が参加しました。パネリスト3人の商売へのこだわりや工夫を聞き、自らの仕事に生かそうと企画したもの。コロナ禍で中断を余儀なくされてきた交流が、およそ4年ぶりに再開され、笑顔が広がりました。
サメなど模したかき氷を発信
パネリストの一人、須磨民商の幸内政年さんは、漁師や、海の家の営業などを経て、現在は神戸市須磨区内でカフェ「パパパピッピーズ」を営んでいます。
幸内さんは「地域を盛り上げたいという思いで、ワニやサメ、ゴリラなどをかたどった、かき氷をSNSで発信している。フォロワー数も伸び、街の元気につなげていけたら」と情報発信の重要性を強調しました。
配達も大好評 焼き芋日本一
兵庫民商の野元敦司さん=焼き芋=は2017年に「芋屋 志のもと」を開業。
「やるんやったら、日本一とったる」と、20年2月の全国グランプリに挑戦し、見事グランプリを獲得しました。
野元さんは「焼き芋は若者からお年寄りまで幅広く愛される。コロナ禍でお客さんが来れないなら届けに行こうと、“配達可”とSNSで発信したら、注文が殺到した」と売り上げ回復の経験を語りました。
店舗デザイン 自分で手掛け
フランス留学の後、2年前に神戸市元町で雑貨と古着の店「SAMUEL FINCH(サミュエル フィンチ)」をオープンした神戸北民商の秋山涼さん。
「お客に『あの店、かっこいいよね』と感じてもらえるように、店舗デザインも自分で手掛け、商品の見せ方にも工夫してSNSで徹底的にアピールしています。売り上げも上がるようになって、開店して良かった」と思いを明かしました。
助言者の武庫川女子大学専任講師、山下紗矢佳さんが「三者とも“高価格帯で、商材を特化し、安売りせず、情報発信を熱心にする”という点が共通している。顧客と親密な関係を築くことがビジネスにつながっており、『もうけの源泉』になっています。地域社会とビジネスをつなぐ中で、中小業者の役割が発揮できています」とまとめました。