税務相談停止命令制度にひるまず 自主申告運動の擁護発展を 全商連など8団体でシンポジウム|全国商工新聞

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 全国商工団体連合会(全商連)など自主申告運動を進める8団体は5月24日、「自主申告運動の擁護・発展をめざすシンポジウム」を全商連会館でオンライン併用で開き、約400カ所で視聴されました。今年3月に税務相談停止命令制度(命令制度)創設を盛り込んだ「改正」税理士法が可決・成立した下で、今ほど納税者の権利を守る運動の重要性が増している時はないとの問題意識を共有し、命令制度にひるまず、自主申告運動にさらに磨きをかけようと確認し合いました。

自主申告運動の発展方向などを話し合ったシンポジウム

 8団体は全商連の他、農民運動全国連合会、全国生活と健康を守る会連合会、全日本年金者組合、東京土建一般労働組合、TCフォーラム(納税者権利憲章をつくる会)、自由法曹団、東京税経新人会です。

運動に誇り持ち 権利を守る決意

 全商連の岩瀬晃司副会長が開会あいさつ。「命令制度が創設されようが、私たちが進めてきた自主申告運動に誇りを持ち、断固として推進するとともに、納税者の権利憲章の制定や市民の自由な税金相談を規制している税理士法の改正など、納税者の権利擁護・発展を求める運動をさらに進めよう」と呼び掛けました。
 不公平な税制をただす会共同代表の浦野広明税理士が基調講演を行い、「自主申告運動は、日本の民主主義にとって非常に大切だ」と強調。命令制度創設の背景には「消費税をどんどん上げ、軍事国家化を進めるために、軍拡増税に反対し、税制の在り様に物申す自主的な運動をストップさせたいという思惑がある」と指摘しました。その上で、「憲法をはじめ、さまざまな法律を活用し、悪法を形骸化させていこう」と訴えました。
 自由法曹団東京支部幹事長の西田穣弁護士は、命令制度は自主申告運動に対する萎縮効果を狙ったものだと指摘し、「命令制度の発動につながるような、少しでもおかしい税務調査があれば、早期に対策を取る必要がある」と提起。「民主的で適正な“互助の精神”の税金相談を心掛けよう」と注意喚起しました。

納税者は主権者 弾圧許されない

 TCフォーラムの平石共子事務局長(税理士)は「納税者の権利憲章を制定させ、国民や納税者が主役の調査・徴収行政に変えていくことが重要だ」と述べました。
 東京税経新人会会長の大矢良典税理士は「税理士法は本来、納税者である国民のためにあるもの。申告納税制度における自主申告運動を弾圧するようなものであってはならない」と語りました。
 全商連の中山眞常任理事は、昨年12月に命令制度創設が打ち出されて以降の同制度阻止の運動を振り返り、「短期間に大きく広がった運動に確信を持とう」と強調。今後の取り組みとして①納税者の権利を守る運動の重要性をしっかりつかむ②納税者の権利とそれを守る組織の存在を広く知らせる③ひるまず、自主申告運動に磨きをかける―の3点を提起しました。
 国会論戦で尽力した日本共産党の小池晃参院議員がオンラインであいさつ。「日本国憲法が定める国民主権にふさわしい税制度にしていくことが必要だ。そのためにも、納税者の権利憲章の制定を政府に求めていこう」と呼び掛けました。
 シンポジウムでは①8団体の活動は、同日で緊急署名を含め、いったん中断し、共同した対応が求められる状況が現われ次第、活動を再開する②税務行政の些細な変化も見逃さず、必要な行動を呼び掛け合う―ことを改めて確認しました。

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