宮城・石巻民商 担当全4自治体で「インボイス制度の廃止を求める意見書」採択 登米市 『廃止』で全会一致 議員訪問の訴えが力に|全国商工新聞

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 「やったー。担当する4自治体全てで、消費税インボイス制度の実施延期・廃止の意見書が採択された!」―。喜びに沸くのは、宮城・石巻民主商工会(民商)です。

登米市議会の關孝議長(右端)に陳情書を手渡す石巻民商登米支部の及川三男人支部長=2022年11月7日

 最後に残っていた登米市が3月10日、「インボイス制度の廃止を求める意見書」を全会一致で採択したのです。昨年の9月議会では、石巻市が実施延期の意見書を採択。同12月議会では、東松島市と女川町が続きました。登米市の2月議会では、総務企画常任委員会での「陳情書の回覧」で済まされようとしていたところを逆転。実施延期ではなく制度廃止の採択となりました。大嶋勉副会長=建築=は「議員を訪問し、インボイス制度の問題点や業者の実態を訴えたことが力になった。一人親方と一緒に仕事をしているので対応を迫られるが、9月30日のギリギリまでインボイス発行事業者には登録しない。実施中止・延期させるまで頑張る」と決意しています。
 民商は昨年11月7日、登米市議会の關孝議長を訪ね、「インボイス制度の実施延期を求める陳情書」を提出。菅原正明会長=電気工事=や登米支部の及川三男人支部長=機械部品加工、佐々木寿朗事務局長が参加し、鈴木実、工藤淳子の両市議(共産)が同席しました。及川支部長は「インボイス制度が実施されると、中小業者や農家はますます大変になる。議会として実施延期を国に求めてほしい」と訴えました。
 同12月議会では「審議する時間が足りない」などの理由で継続審議となり、1月の総務企画常任委員会で審議されました。内容が十分理解されていない上に「国が決めたことだから…」などの声が上がり、陳情書を回覧するかどうかの議論になり、3人が「もっと審議を深めるべき」と主張しましたが、5人が陳情書の回覧に賛成しました。
 しかし、他の市議から「インボイス制度は地域経済を壊し、自営業者に痛みを負わせる」との声が上がり、議員発議で意見書を出すことが提案され、市議6人が賛同。鈴木議員が「インボイス制度の廃止を求める意見書」を発議し、3月10日の本会議で理由を述べました。
 「国内経済は過去に類を見ないほどに疲弊し、実質増税であるインボイス制度は事業継続を困難化させるものでしかなく、さらなる国内経済や本市の経済にも大きな影響を与え、中小事業者やフリーランス、個人農家などに大きな影響が及ぶ。よって国に対してインボイス制度の廃止を意見する」と訴え。反対討論は行われず、全会一致での採択となりました。

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