「税務相談停止命令制度(命令制度)」の創設を盛り込んだ税理士法改定を含む所得税法等の一部「改正」案を年度内に成立させようとする動きが大詰めを迎える中、3月24日、急きょ、3回目の「自主申告運動の擁護・発展をめざす国会行動」が取り組まれました。全国商工団体連合会(全商連)はこの間、農民運動全国連合会、全国生活と健康を守る会連合会(全生連)、全日本年金者組合、東京土建一般労働組合(東京土建)、納税者権利憲章をつくる会、自由法曹団、東京税経新人会とともに「自主申告運動の擁護発展をめざす緊急署名」に取り組み、3カ月足らずで15万6511人分を集めました。
この日は、3万2126人分の署名を提出。署名を受け取った小池晃参院議員(共産)は「納税者の不安と怒りをしっかり受け止め、納税者の相談活動が保障されるよう、一緒にたたかおう」と激励しました。
全商連の岡崎民人事務局長は「『緊急署名』が15万人を超えたのは、危機感と怒りの表れだ。自主計算・自主申告を貫き、萎縮させないたたかいが重要だ」と訴え。全生連の西野武事務局長は「1万人を超える署名が集まった。自主申告運動への介入は許さない」と力を込め、東京土建の山本高明書記次長は「われわれの相談活動は何ら問題はない。大手を振って取り組み、運動を弾圧するたくらみはつぶす」と決意を語りました。
全商連の中山眞常任理事は「小池議員の国会質問によって命令処分を行うには、①税務相談の内容が脱税や不正還付の指南に該当し②納税義務の適正な実現に重大な影響を及ぼす場合という二つの制約が課せられることが明らかになった」と強調。「自主申告運動に磨きをかけ、納税者権利憲章の制定と税理士法の改正を実現しよう」と訴えました。
同17日には、7万8119人分の「緊急署名」が積み上げられ、田村貴昭衆院議員(共産)は「税務相談の停止命令を出す基準や要件が曖昧で、政省令でも定められない。強権発動を許さない、たたかいが必要」と強調しました。
全商連の橋沢政實副会長が主催者あいさつ。「自主申告の大切さを学んできた。大軍拡・大増税路線を打ち出し、戦争できる国づくりに突き進む中で命令制度が出てきた。権力の介入を許さない運動を」と訴えました。
各団体の取り組みの交流では渋谷民主商工会(民商)の赤石知也事務局長が実態を告発。「“税のことがよく分からない”という納税者も少なからずいる。税務署も人が足りず、相談に乗ることが禁止されれば、誰が相談に乗るのか」と訴えました。
署名提出後、参加者は参院の財政金融委員全24人に要請。「申告納税制度の趣旨を尊重し、税務行政に関する納税者の自発的な学び合いへの過度な規制にならないように十分配慮すること。命令発出および罰則の適用は、納税者の信用や尊厳に配慮した慎重な対応をすること」などを明記した「付帯決議」を上げることを求めました。