個人番号関連法改定案が閣議決定 マイナカードの押し付けやめよ|全国商工新聞

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 マイナンバー(個人番号)カードを全国民に持たせようと、政府の取得押し付け策がエスカレートしています。
 岸田内閣は7日、健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに保険証機能を持たせる(マイナ保険証)ことなどの推進に向けて、関連法の改定案を閣議決定しました。
 健康保険証の廃止とマイナ保険証への移行は昨秋、河野太郎デジタル相が会見で突然、公表。「カード取得の事実上の義務化だ」と、世論の猛反発を受けました。政府は、マイナ保険証を持たない人に「資格確認書」を発行する小手先の対処で、保険証廃止を強行する構えです。懸念されるのは、資格確認書が本人の申請なしには交付されないことから、申請漏れにより無保険状態に陥ることです。各保険者が決める有効期間(最長1年)内に、更新申請する必要にも迫られます。
 個人番号は、中小業者はすでに従業員やパートが一人でもいれば、罰則付きの番号管理義務を負わされています。マイナ保険証が実務負担増にならないか注視が必要です。
 国民健康保険では、短期被保険者証を廃止します。現行の「資格証明書」は、1年以上滞納している被保険者に「受診時に医療費を全額支払うことになる」などと納付を督促する「通知」に代えます。「特別な事情が認められない場合」の措置としますが、現状でも不十分な個別事情への理解や配慮が後退し、人権無視の徴収がいっそう強まることが懸念されます。
 社会保障・税・災害対策に限られるはずだった使い道を、国会での法改定の審議抜きに、省令改定という行政の裁量で拡大できる仕組みも盛り込まれています。
 年金や児童手当、生活保護などの振り込み先として、年金機構や自治体に登録された受給者の金融機関の口座番号を、個人番号にひも付けることも狙います。給付対象者に郵便などで同意確認を行うものの、無回答も同意とみなして処理する方針です。
 マイナンバーカードの取得率は、2月末時点で74.8%。国民の4人に1人が申請をしていません。持つことのメリットが薄く、不安が大きいカードの取得押し付けは、やめるべきです。

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