3・13重税反対全国統一行動が間近に迫り、各地で税金要求に応える学習・相談活動が繰り広げられています。
国会では、税務相談停止命令制度(命令制度)を巡る論戦が行われ、その危険性が浮き彫りにされました。
命令制度の目的について法案は、国税・地方税の脱税や不正還付による「納税義務の適正な実現に重大な影響を及ぼすことを防止するため」としています。ところが、命令の対象となる行為や停止命令を出す際の基準は、まったく示されていません。財務省は「脱税・不正還付の指南を、SNSを活用するなど不特定多数を相手に、広く、あまねく行う行為」と全商連に繰り返し説明してきました。しかし、命令処分を行う際の基準や要件の明確化について、2月21日の衆院財務金融委員会では、「一律に規定することは適当ではない」と拒否しています(日本共産党・田村貴昭議員への答弁)。
命令処分の内容をインターネット上で公表するとしていますが、誤った命令を防ぐ手続き規定はありません。不服申し立てや裁判で命令を取り消しにさせることができたとしても、ネットで公表された情報を完全に消し去ることは困難です。
2月22日に行われた「納税者の権利擁護を求める緊急署名」の提出行動と国会議員要請には、4万4千人分を超える署名が寄せられました。参加団体から、「税の減免相談ができなければ生活できない人が出てくる」(生活と健康を守る会)、「融資や税金の相談に乗る国会議員も対象になる」(自由法曹団)など、命令制度の危険性が告発されました。
命令の対象となる行為を明示・限定させることが必要であり、命令を出す前の聴聞や調査に当たっての事前通知と理由開示など、誤った命令を回避するための適正手続きを条文に盛り込むべきです。
いま、消費税減税やインボイス中止を求める声は切実さを増しています。軍拡増税に反対する世論も高まっています。3・13重税反対全国統一行動の意義は、いつにも増して鮮明です。納税者による屈指の共同行動として大きく成功させ、結社の自由などを保障する憲法や申告納税制度に反する停止命令制度の阻止に全力を挙げましょう。