立憲民主党や日本共産党、社会民主党、れいわ新選組などの国会議員による「インボイス問題検討・超党派議員連盟」が11月16日に設立されました。設立総会後、当事者のフリーランスと財務省からヒアリングを行いました。
フリージャーナリストの犬飼淳さんは「政府は『複数税率の下で適正に課税するためインボイス制度が必要』と繰り返し説明するが、真っ赤なうそ。インボイス制度はフリーランスだけでなく、会社員や消費者を含めて誰一人例外なく不利益を被る制度。こうした本質的な問題がメディアで報道されないことに、もどかしさを感じる」と語りました。
エンタメ4団体からは、VOICTIONの共同代表で声優の甲斐田裕子さんがスピーチ。「インボイス制度は『クールジャパン』を支える業界の裾野をごっそり削ってしまう。裾野を削れば、日本の文化の未来は断ち消えてしまう。10年後も20年後も100年後も良い作品を作り続けられるよう、裾野を削らないでほしい」と切に訴えました。
田村貴昭衆院議員(共産)は「消費税率が8%と10%の複数税率になって以降の3年間、不正問題があったか、財務省は調査しているのか」と問いただすと、財務省は「税務調査では調査しているが、総体的な数として把握していない」と回答。“複数税率だからインボイスを導入する必要がある”との主張を裏付けられませんでした。
「設立総会」では、末松義規衆院議員(立憲民主)を会長に選出。「真面目に帳簿を付けて細々と事業を続けてきた人たちが重い事務負担を押し付けられ、取引から排除されようとしている。とんでもない政治を変えるために頑張る」とあいさつ。呼び掛け人の一人、前出の田村議員は「インボイス制度は中止・見直しの声が与党内からも出ている。泣く泣く課税事業者になって消費税を納めるのか、廃業の危機をはらみながら免税事業者のままでいるのか、こんな仕打ちをフリーランスや中小業者に強いることは許されない」と訴えました。
「議員連盟」には、11月28日までに65人の国会議員が入会しました。