税の専門家、税理士がインボイス制度の中止を求めています。2日、衆院第1議員会館内で開かれた「インボイス制度の中止を求める税理士の会」の国会懇談会には、150人が参加しました(写真)。これまでに税理士521人から賛同が寄せられています。「免税事業者の生存権を脅かすインボイス制度は、必ず中止させよう」と決意を新たにしました。
各地から駆け付けた税理士がリレートーク。京都の代表は「京都の観光を支える個人タクシーが課税事業者になれば、年収550万円で消費税25万円を負担しなければならず、『どこから出てくるのか』と怒りの声が上がっている」と訴え。埼玉の代表は「シルバー人材センターやJ2のサッカー選手、アニメーター、ウーバーイーツ、フリーランスなど、インボイス制度は約1千万人に影響を与えるといわれる。免税事業者は“益税”があるといわれるが、どんな税法にも基礎控除などがあり、能力に応じて税金を負担するようにつくられている。消費税の免税点制度はセーフティーネット。なくなれば世の中が回らなくなる」と強調しました。
「憲法で保障されている生存権や職業選択の自由を、税制で押しつぶしていいのか」と怒りを口にしたのは東京の代表。「顧客にインボイス制度の説明をすると、『下請けは免税事業者で、その人たちの生活を脅かすことはできない。自分からは課税事業者になってほしいとは言えない。免税事業者のまま取引せざるを得ない』と言っていた。この制度は誰も得をしない。必ず中止に」と力を込めました。
阿部徳幸・日本大学教授(税理士)が基調講演を行い、“益税”問題にかかわって「消費税は商品などの対価の一部であり、消費税分を過不足なく国庫に納付する義務を負うものではない。法律上も消費税は付加価値にかかるもので、消費者からの『預かり金』ではなく、“益税”は存在しない」と強調。「免税点制度は、免税事業者が生きる権利として保障しているもの。インボイス制度の実施によって免税点制度は、法律の文言は残るが、実質的には廃止される。生きる権利を奪うインボイス制度は許してはならない」と訴えました。
日本共産党の宮本徹衆院議員、山添拓参院議員をはじめ立憲民主党、社民党、れいわ新選組の国会議員が激励に駆け付けました。
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