「いまこそ『ものづくりのまち』で、技術の世代継承を」―。東京・蒲田民主商工会(民商)は先ごろ、製造業の会員による経営交流会を開き、5人が参加しました。
二木和雄副会長=板金加工=が、「今年に限って言えば、仕事はなんとか途切れていない。しかし、大幅に利益が回復しているわけではない。来た仕事は断らず、仲間に回すようにしている。以前と同じように仕事をしていたのでは厳しい時代になっている」と自らの状況を披露し、「どのようにして仕事を続けていくか議論したい」と提起しました。
参加者からも「自分のところはなんとか持ちこたえているが、周りの業者は廃業している」など、区内の厳しい状況が語られました。
議論を進める中で、仕事起こしにつなげるために、「まず、会員の製造業者名簿を作成しよう」との意見が出され、過去の工業名簿に従い、「機械の設備や自分の得意分野なども載せよう」と話が盛り上がりました。
「今、製造業で仕事が来ているのは、40代~50代の若い世代の事業者」(NC旋盤)、「80代ぐらいで仕事をしている方がいきなり亡くなると、仕事の引き継ぎが大変」(汎用旋盤)、「長く仕事をしている業者は長年の経験・技術が蓄積されている。それを継承する必要がある」(機械彫刻)と議論に。「若い世代の業者が技術などを継承できる集まりをもってはどうか。そしたらみんな興味をもってくれるのでは」と、製造業の技術継承を図る集まりを計画することになりました。
その他、消費税のインボイス制度の問題や大田区に対し、直接支援を求めることなど話題は尽きませんでした。民商では、地場産業である製造業の持続的発展をめざして、引き続き経営交流を進めることにしています。