例年12月中旬に発表される「税制改正大綱」に向けて、税理士団体などがインボイス制度の実施延期などを要望しています。
日税連 負担軽減措置を講じるまで延期
日本税理士会連合会(日税連)は「令和5年度税制改正に関する建議書」(6月29日)の中で、事務負担や市場取引に与える影響について必要な措置を検討し、コロナ禍による経済活動の制約が解消され、簡易で安価な電子インボイス制度の整備、中小企業者の実務を踏まえた負担軽減措置が講じられるまで導入を延期するか、少なくとも中小企業者の実務を踏まえた柔軟な運用を要望しています。
東京税理士会連合会 取引排除の恐れ 制度導入に反対
東京税理士会連合会は①免税事業者が取引から排除される恐れがある②仕入税額控除の可否を判断するために増加する事務負担への対応が困難―などの理由で、制度導入に反対しています。
青申会 廃止か凍結して現行方式堅持を
全国青色申告会総連合(青申会)は「令和5年度税制改正要望意見」(6月24日)の中で「適格請求書等保存方式(インボイス制度)の廃止または凍結」の項目を設けています。「インボイス制度への移行により、免税事業者が取引から排除されることや小規模事業者の納税にかかる事務負担の増加が想定される」と懸念し、課税事業者は消費税導入以来、請求書等に基づいて取引を課税・非課税・不課税等を区分記帳して適正に申告し、複数税率の場合でも現行の区分記載請求書等によって、適正申告ができるとして「インボイス制度は廃止または凍結し、現行の区分記載請求書等保存方式を堅持する」ことを要望しています。