「コロナ融資500万円を借り換え、追加融資250万円が受けられて、何とか踏みとどまれた」―。兵庫・灘民主商工会(民商)の福井恭司さん=キッチンカー=は先ごろ、日本政策金融公庫の「新型コロナ感染症対応特別貸付(コロナ融資)」の借り換え(総額750万円)が認められ、250万円の“真水”も獲得。商売継続に明るい兆しを見いだしています。
6年前に、クレープやホットドッグ、ポテトフライなどをさまざまな場所で販売する移動キッチンカー「まるふくcafe」を開業した福井さん。当初、スーパーなどと交渉し、駐車場や入り口近くのスペースなどを貸してもらって出店。休日は企業のイベントにも出店し、ケータリングや移動縁日などを通じて順調に売り上げを伸ばしていました。民商へ入会したきっかけも税金の申告でした。
しかし、コロナ禍で出店を予定していたイベントは全て中止に。感染拡大防止のため、スーパーにも断られ、公園や路上などで営業してみたものの、お客は全くといっていいほど来なくなりました。
2020年4月に緊急事態宣言が発令されると、完全に仕事ができなくなり、「これは何とかせねば」と民商に相談。コロナ融資を申し込み、500万円の融資が実行され、「これで1年半は売り上げが戻らなくても、何とか持ちこたえられる」と安心しました。緊急小口資金や生活福祉資金、持続化給付金、家賃支援給付金など、あらゆる支援策を活用し、何とか生活してきました。
ところが、コロナ禍は3年目に突入。資金も底を突きかけた時に、民商でコロナ融資が再度申し込めることを聞き、事業計画書を改めて作成し、面接を受けました。実行まで日数を要し、希望額から減額されたものの、当初額の借り換えに加えて、250万円の融資が実行され、何とか踏みとどまることができました。
福井さんは「今、少ないながらも仕事を再開し、キッチンカーを動かしていますが、売り上げは戻っていません。それでも諦めず、次の事業展開を模索しながら、頑張っていきたい」と前向きです。
イベントなどへの出店依頼は「まるふくcafe」で検索してください。