「インボイス反対」 団体などから次々声上がる|全国商工新聞

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 漫画家やアニメーターを組織する団体などからインボイス制度に反対する声が上がっています。

発注元と関係悪化

日本漫画家協会

 「日本漫画家協会」は7月4日、「現行のインボイス制度導入反対について」の声明を発表しました。
 出版社等の発注元が仕入税額控除を行うためには、漫画家からインボイスを発行してもらう必要があり、インボイスを発行するためには免税事業者の漫画家は課税事業者への変更を余儀なくされますと指摘。
 「声明」では「インボイスを発行できない場合、発注元と漫画家との関係悪化もしくは最悪、免税事業者であることを理由に取引が中止される等のリスクが考えられる」「インボイス発行に伴う事業者の事務処理負担が増加することも懸念され、いずれも漫画家の創作活動を阻害するおそれがある」として、多くの漫画家に不利益を喚起しかねない懸念事項が払拭されていない現行のインボイス制度には反対すると表明し、見直しを求めています。

税の公平に反する

日本アニメーター・演出協会

 日本アニメーター・演出協会(JAniCA)は7月5日、「インボイス制度への懸念に関する意見表明」を発表しました。
 「取引先の制作会社などから仕入税額控除ができないことを理由に不利益な扱いを受けるおそれを避けるため、課税事業者となる選択を迫られる」と指摘。「3万円以下の少額取引にも適格請求書等が必要など、アニメーターや演出などアニメ制作者のみならず、制作会社にとっても新たに相当の事務負担が発生する」として、「経過措置(免税事業者からの仕入れは全額控除可能)を継続する等の措置」を要望。「軽減税率導入により、事業者免税点制度が実質的に廃止されることは、税の公平という大原則に反する不当なもの」と異議を唱えています。

プライバシー侵害

6団体が連名

 「インボイス制度の個人情報の公表・商用利用に抗議する声明文」も発表されています。
 インボイス制度の中止を求める税理士の会、インボイス制度を考えるフリーランスの会、協同組合日本俳優連合、フリーランスアニメーターの未来を考える会、フリーランスアニメ演出家の未来を考える会、フリーアニメプロデューサーの未来を考える会の6団体の連名です。
 「作家や俳優、漫画家など芸名・ペンネーム・屋号で活動している者も多く、公に本名を明かす必要はない」と指摘。しかし、国税庁の登録番号の「公表サイト」で本名と登録番号が必ず公表され、一度登録すると、登録を取り消しても7年間は公表サイトに情報が掲載され続けます。しかも、これらの情報を一括で、誰でも簡単に全件ダウンロードできるようになっており、商用利用が可能です。
 「声明文」は「個人事業主のプライバシーを著しく軽視し、配慮を欠いたものである上、その有効性も極めて疑問であると言わざるを得ない。…本件措置に強く抗議するとともに、かかる方針を直ちに撤回し見直しを求める」とし、「インボイス制度に対し、改めて強く反対する」と表明しています。

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