島根県江津市は6月29日、6月議会で「『ごうつ地域応援券』の第2回目実施に関する陳情」を全会一致で議決しました。「長引くコロナ禍の中、原材料・物価の高騰が加速し、中小業者の経営を圧迫している。臨時交付金を活用した地域循環型の経済施策が必要」として、江津民主商工会(民商)が提出したもの。民商の陳情が採択されたのは初めてです。
ごうつ地域応援券(応援券)は、3千円(市内に本店・本社のある指定事業者で使用できる地域券2千円と市内の全ての指定事業者で利用できる共通券千円)を全市民に配布するもので、開始時期は秋頃を予定。第1回目は昨年12月に配布され、換金率は94・5%でした。
民商では6月6日、議会への陳情と合わせて、江津市の山下修市長に要望書を提出し懇談を行いました。民商で5月に行った原材料高騰に関する会員の聞き取り調査で、あらゆる業種で1年前より1~2割の材料仕入れ値が上昇し、「今後も上昇するが、全部を価格転嫁することは難しい」という回答が多かったと紹介。1回目の「応援券」が、「人の動きを感じられた」「疎遠になっていたお客さんが久々に来店した」「地元のお店を知ることができた」などと大好評だったことを伝え、「商売人の生きる糧にもなった。民商の調査の中でも『応援券』をもう一度やってほしいという声が、多く上がった」と話しました。
山下市長は、コロナ禍に加えて物価高騰による経済活動や市民生活への悪影響が懸念されていることに触れ、「経済対策として6月補正予算に計上し、『応援券』の第2弾を実施したい」と回答していました。
市長との懇談で窮状を訴えた野津克朗会長=自動車販売・整備=は、採択を受け、「皆さんの声が届いて良かった」と顔をほころばせ、「コロナに加えて、原材料等の高騰で業者はますます厳しい。1回目の応援券は、私の事業所でもオイル交換などに活用され、お客さんが増えた。2回目の実施で消費が喚起され、市民にも、業者にも、喜んでもらえれば」と話します。
民商では、「山下市長は7月に任期満了を迎えるが、コロナ禍で民商の要望を真摯に聞き、支援策につなげてくれて、ありがたかった。応援券事業で市内の事業者と市民に活気を呼び戻し、地域のみんなが少しでも元気になれば」と、事業者登録や周知に取り組んでいきます。