火ぶた切られた参院選 暮らしと平和守る旺盛な対話を|全国商工新聞

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暮らしと平和守る旺盛な対話を

 参議院選挙(7月10日投開票)の火ぶたが切られました。コロナ禍に物価高騰が重なる危機に、暮らしと商売を守る対策が待ったなしです。また、ウクライナの惨事に便乗して狙われる改憲・大軍拡を許さず、憲法9条を生かした外交で「平和を広げる国」にする契機としなければなりません。
 多くの国民・中小業者が消費税率引き下げを強く求めています。世界では91の国・地域が消費税・付加価値税の減税に踏み出しています。岸田首相は「社会保障の安定財源」と繰り返しますが、消費税は使途を示す目的税ではなく、詭弁です。インボイス制度は、免税業者を課税業者に仕立てて消費税を搾り取る仕組みで、「取引排除」「値引き」「課税業者として納税」のいずれかを迫る制度であり、実施中止が切実に求められます。
 コロナ禍に加え、原材料・仕入れ値の高騰や価格転嫁に窮する中小業者への支援も政治の責任です。ガソリン価格の激変緩和で石油元売り企業に1.8兆円を注ぐだけでは暮らしは良くなりません。固定費を補助する直接支援や既往債務の返済凍結、20年返済・据え置き10年の無利子緊急融資などを思い切って打ち出すべきです。適切な価格転嫁を可能にする環境整備として、公正な取引ルールも大切です。
 持続可能な地域循環型経済を確立することも急がれます。例えば、大企業への特権的優遇税制の是正や内部留保課税で財源を確保し、地域再投資を強めることで、勤労者への賃金や単価を引き上げ、仕事と資金を回す仕組みを作れます。食料自給率の向上へ水田活用交付金の削減を中止し、農業を基幹産業として再生させることです。危険な原発への依存を改め、再生可能エネルギーの普及や省エネ設備・技術の導入へ中小業者振興を図るべきです。
 今、岸田政権や維新などが「敵基地攻撃」「軍事費2倍化」「憲法9条変えろ」と暴論を広げていることは言語道断です。仮想敵を設けての「軍事対軍事」では平和の再構築は図れません。平和憲法を生かした外交や、核兵器禁止条約の批准が大切です。「平和でこそ商売繁盛」の信条を力に、暮らしと平和を守る旺盛な対話を進め、市民と野党の共闘の展望を開きましょう。

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