岸田自公政権が危険な大軍拡へと動きを強めています。
先月の日米首脳会談の共同声明で「敵基地攻撃能力」保有の方針化をバイデン大統領に約束し、「日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意」を表明しました。
自民党は年内に政府が取りまとめる「国家安全保障戦略」や「中期防衛力整備計画」の改定に向けて「提言」を政府に提出しています。そこには「敵基地攻撃能力」について「反撃能力」と名称を変えて保有を求め、整備等に必要な軍事費を5年以内にGDP(国内総生産)比で2%以上とすることを要求しています。米国大統領との約束が、自民党の「提言」に基づくものであることは明らかです。予算編成の方向性を示す「骨太の方針」の原案でも防衛力の抜本的強化を明記しました。
2022年度の軍事費の当初予算は5兆4千億円。GDP2%は約11兆円となり、5兆6千億円の増額は、消費税2%分強に相当します。
安全保障を武力の強化に求める姿勢は、東アジアの軍拡競争を過熱させ、不安を高め、紛争の危険を高めるものです。
年間11兆円もの軍事費はロシアを抜き、米国、中国に次ぐ世界第3位となります。財源は、社会保障など市民生活に必要な予算の削減であり、消費税のさらなる大増税です。自公政権はもとより、維新の会、国民民主党も大軍拡推進の主張を行っていることは重大です。
15年の安保法制の成立で集団的自衛権の行使を可能としたことで、日本が武力攻撃を受けていなくても、同盟国のアメリカが行う戦争に巻き込まれます。敵基地攻撃を行えば、相手国による反撃を呼びおこし、日本に戦火を呼び込む危険があります。平和を脅かし、不戦を誓った憲法9条にも違反するもので、到底許されません。
目前に迫った参院選では、憲法改正に必要な3分の2議席を、改憲勢力に渡さないたたかいが求められます。大軍拡よりも、暮らし・福祉・教育予算を充実させ、中小業者の営業を守る政治の実現へ、消費税減税とインボイス中止、新型コロナ対策など切実な要求を掲げ、大いに奮闘しましょう。