10%増税は嗜好品を直撃|全国商工新聞

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卸は3割減 店内飲食の客も減

東京・玉川民商 Fさん=コーヒー豆販売

 独立開業して24年目です。「家庭でおいしいコーヒーを飲んでもらう」ことをコンセプトに、高品質の生豆を自家焙煎して量り売りしています。店内でもコーヒーが飲めるスペースを設け、喫茶店にも焙煎した豆を卸しています。
 10%に増税されてから11月、12月の卸の発注量が3割ほど落ち込んでいます。店内でコーヒーを飲むお客さんも減っています。コーヒーは嗜好品ですので、家計を節約しようと思えば、消費者は外でコーヒーを飲むことを控えます。卸の発注量が減っているのも、そうしたことが影響しているのだと思います。
 独立開業したのは、消費税が3%から5%に増税された翌年の1998年。日本がデフレ経済の局面に入り、ボディーブローのように年々、売り上げが減少しました。
 ホームぺージやSNSでの情報発信、コーヒーの入れ方講座の開催やマンツーマンによる指導など、あらゆる努力をしてきましたが、それでも売り上げは回復せず、今も右肩下がりです。消費税も一括では払えず分納しています。
 複数税率にも頭を抱えています。コーヒー豆の販売は8%、店内でコーヒーを飲むと10%。区分経理をしていますが、面倒です。増税後、初めての確定申告を迎え、申告書の作成がどうなるか、不安ですね。
 複数税率対応のレジも導入せず、ポイント還元も申請していません。カード会社に支払う手数料が高いということはもちろんありますが、安倍政権に対する抗議という思いもあります。
 消費税は5%に戻すだけでなく、廃止すべきです。

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